勉強のし過ぎで過労死して異世界に転生したけど、ものすごく平和だったので第2の人生としてゆっくりしていく!
安野 夢
第1話 過労死による転生!?
「一体ここは、、、」
目が覚めると、そこには終わりが見えないほどまで続いている青々とした草原が広がっていた。僕はさっきまで勉強をしていたはずなのだが、なぜ見知らぬ場所にいるのかということなどで混乱していた。
「ヒロト様大丈夫でございましょうか?」
女性の声がしたので後ろを振り返るとメイド服を着た女性がいた。見たところ年は20代だろうか。
「あなたは誰ですか?なぜ、僕の名前を知っているのですか?また、一体ここはどこなのでしょうか?」
そのように質問すると彼女はその質問をすることをわかっていたかのようにすぐに答えてくれた。
「申し遅れました。私はここの世界の神のルーシア=イスタリアでございます。ここは、あなた様達の言葉で言う異世界になります。ヒロト様は一生懸命に勉強しすぎた結果、過労死によってここに来てしまったのです。」
僕はとても驚いた。まさか勉強をしすぎて過労死によって死んでいるということ、死んで異世界に来ている。一瞬、夢でも見ているような気持ちになった。だが、これが本当ならうれしい。なぜなら、元いた世界ではあまり良い思い出や出来事、生活などがあまりなかったため、新しく人生をやり直して楽しい思い出などを作るのも悪くはないだろう。
「ここの異世界は一体どのような世界なのでしょうか?」
僕は今までいろいろな異世界系小説を読んで来ているので、ここの世界が戦争しているのだったらその戦争を止める。または魔王がいるならば討伐するのが転生者だと思っていたので、こんな質問をしてみた。
「ここの世界はとても平和な世界でございます。魔族や獣人族、ヒューマンやドワーフなど、幅広い種族がお互いに協力し合いとても活気のある楽しい世界となっております。」
平和な異世界にしたということを聞いて何故か少しは肩の荷が下りたような気がした。異世界が平和ならば、元いた世界で言う『スローライフ』とやらを送って行くのも悪くないかもしれない。
あとの問題は転生する年だ。個人的には赤ん坊からだと覚えることや行動できる範囲、時間などがもったいない。また、僕は、人から文句や怒られることが好きではない。もしも赤ん坊からだと親から文句や説教を食らうのは本当に勘弁してほしいことだ。
とりあえず、年のことを聞いてみないとわからないか。
「すみませんが、転生する年を決めることはできませんか?」
そう聞くと彼女は首を横に振った。
「申し訳ございません。年齢は最高でも4歳からなのです。その代わり身分を決めることができます。」
年の件では「4歳からで我慢するしかないのか」と思ったが、身分を決めることができると聞いて少しはマシだと思った。個人的には王族関係だといいが、厳しいようなら貴族とか平民しか選ぶしかない。また、さっきも言った通り怒られることなどが好きではない。
そこら辺を踏まえて質問してみるか。
「身分としては王族がいいです。ただし、向こうで何か厳しいルールや指導などをできるだけ無くしてほしいんですけど、可能ですか?」
彼女は微笑みながら首を縦に振った。
「もちろん可能です。その他に何かご要望はございますか?」
少しは安心した。他にも頼めるらしいが魔法と言ってもなかなか思いつかないし、このまま王族に転生しても問題ないと思った。
「他にはありません。逆にこれ以上してもらうのは何かと申し訳ないので。」
「わかりました。では王族で転生する準備をします。」
彼女が言った瞬間、周りから白い光が僕を包むように現れた。彼女が呪文らしきものを唱えている。その間に僕は「第2の人生が今ここで始まる」といった感情とともに、「一体どんなことを行うんだろう」という感情も湧き上がり、とても不思議な感じがした。そうして、3分位経っただろう。
彼女が
「第二の人生ではどうか楽しく過ごしてください。」
と言った瞬間、眼の前が真っ白になりそこで意識が途絶えた。
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