カメレオン

@no_0014

同化

 今日の服装はだいぶ、不特定多数の人に溶け込めている時代の組み合わせができた気がする。

地味でファッションセンス皆無な私にとって、浮かないのはとても嬉しい。特に自分のいる場所に馴染めている時は合っていたのだと、正解を当てた気持ちになる。

季節が変わるということもあるが、一年前とは色や形、種類……着ているものが変わるのに、他の人たちの順応能力の高さに驚くことしかできない。しかも一年前の服をうまく利用して今年の服装になる人も沢山いる。

多少なりとも、年齢とその服装ができただけで私は喜んでしまうくらい、私には臨機応変さが足りない。


会話もそうだ。今トレンドの話題、その人個人の好きのもの話、うまくラリーを続けるようなコミュニケーションを取れることが、私には難しい。

他人の話を聞くのは楽しいが、ひとたび私に話が振られると、どう伝えたら相手とコミュニケーションが取れるのか、会話が弾むのかわからない。


個性のある人は結果、類は友を呼び、周りには似たような人が集まる。そのはずなのに、私の個性はどうも、類が居ないのか、それとも類だからこそ隠れてしまっていて気づけていないのか……。


毎日毎日、毎日毎日……、髪から靴まで、会話の初めから最後まで。


溶け込んで、馴染んで、目立たないように。

いつの間にか見えなくなってしまっているのかもしれない。誰も。



自分すらも自分の事が見えなくなって消えているようにカモフラージュして生きている。

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