俺転生したの?

いのさん

第1話 俺・南雲譲二と栞との出会い 

 俺は今、光の塊となって宇宙空間を飛んでいる。・・・何でこうなった?


 俺の前世は南雲譲二なんぐもじょうじという名前の日本人だった。

 当時・・・死ぬ前・・・金属工学関係の大学を卒業して日本I県K市で鍛冶師(刀工)見習い2年目の24歳だった。

 俺がこうなったのもあの女の子、いやもう女の人との出会いにある。・・・違うな俺がドジなだけか!?


 少し俺の話をしよう・・・俺の親父は警察官で、俺が中学の入学から中学校2年までの間I県のとある寒村の駐在さんだった。

 俺は俺自身も驚くほどの剣道馬鹿で中学校2年生がかかるとゆう中二病にはかからなかった。


 俺の親父も俺に勝るとも劣らない剣道馬鹿という程の人物で、俺が物心がつく頃には兄貴や姉貴と一緒に剣道をやらせられた。

 兄貴や姉貴は超出来物で、国立の一流大学を優秀な成績で卒業し、一流の大手の会社に就職した。

 俺は三人の中でも落ちこぼれで、親父は俺が


「剣道さえしていれば学校の成績など重要ではない。」


と言って片目どころか両目もつむってくれた。

 母親・・・母親はそんな訳にはいかない。

 俺の顔を見るたびに


「勉強しろ、国立の一流大学に通い一流企業に就職したお兄さんやお姉を見習って勉強しろ。」


と口うるさい。

 その母親はK市の大学病院で看護師として仕事をしており、俺の親父が田舎の駐在さんになる時には


「私には仕事がある。そ・・・それに田舎は嫌だ。」


と言って・・・実はどうやら蛇が苦手で駐在所に引っ越しの際に玄関先で蛇が日向ぼっこをしているのを見てから・・・駐在所に行くのを拒否したのだ。・・・と言う訳で母親は駐在所にはついて来ないでK市の自宅に兄貴や姉貴と暮らしてる。


 それで口うるさい母親の目を逃れた俺は親父とともに駐在所ライフを満喫していた。・・・満喫?!

 満喫してはいない・・・親父は単身赴任かというとそうではない。


「男ばかりでは生活も大変だろう。」


と言って親父の母・祖母が駐在所に来ている。

 祖母は親父の一番上の兄貴、伯父の所にいて少し暇していたのだ。


 この人は怖い!!


 多少勉強なんかできなくても宿題もしていなくても怒られることはないが・・・親父に剣道の朝稽古に連れていかれるとき


「朝稽古が嫌だ。」


とか


「眠い、寝ていたい!」


等と言おうものなら・・・どこから取り出したのか薙刀をもって追い掛け回される。 

 何とタフな御祖母さんだ!

 結局駐在所の家から追い出されて朝稽古に行く事になる。・・・どこの警察署にも道場・・同情ではない・・があり警察官だけでなく腕自慢が集まり俺を可愛がってくれる。・・・う~ん可愛がりという虐めか?虐めか!・・・違うなそのおかげで俺は強くなった!・・・(自慢)


 中学校2年の時に親父は警部補殿に昇任したとかで俺達は駐在所ライフを終えて自宅のあるK市に転勤し本部勤めになったのだ。

 親父の転勤にともない駐在所ライフも終了し、俺もK市の自宅に戻り、薙刀で追いまわしていた御祖母さんも伯父の所に戻った。

 別れの時にしわくちゃな御祖母さんがもっとしわくちゃになって涙を・・・鬼婆にも涙・・・等と思ったら最後の最後まで薙刀で追い回された。・・・う~ん俺の目にも涙が・・・見せないために全力で逃げた。


『ありがとうな祖母ちゃん。』


と心の中で言った。・・・あの時ちゃんと言っておけばと後悔している。


 当然ながら俺は駐在所で通っていた中学校の2年生が終わったので、自宅近くのK市立の中学校3年生に編入した。

 編入に伴いこの中学校の剣道部に入部したのだが、弱い!

 俺は親父に頼んで警察署の朝稽古に参加したり、I県立やK市立の武道館で一般の人に混じって稽古をしていた。


 中学校3年に編入時、彼女は中学校1年生で剣道部に入部していた。

 名前は神崎栞、長い黒髪を白色のリボンで縛り、白色の剣道着に赤胴を着けた美少女で格好はいいが・・・俺よりは弱い。

 ただ俺に比べたらだが他の人よりははるかに強い・・・それに途中入部の俺より先に入部しているので先輩なのだが?

 俺に比べたら剣道は弱い?・・・でも女子剣士としてはかなり強く県の大会は惜しくも準優勝だった。

 頭も良く、周りからは


『才色兼備の女の子。』


と誉めそやされていた。


 俺は栞の準優勝したその剣道大会で個人の部で優勝して全国大会にも出場して個人優勝した。

 そのおかげで俺は県内でもトップクラスの進学校に入学できた。

 この学校は成績アップの為か、試験上位100名の名前を掲示する。

 当然俺の名前は無い。・・・無いどころかクラス担任に呼び出されて


「学年350人中の最下位グループでベスト10入りだ。」


と言って怒られた。

 当然母親は怒るが、親父は俺の味方?・・・で


「この高校で剣道の実績があれば警察官になれる。」


と言って笑っていた。

 俺は高校でも剣道部に入部。・・・弱!

 当然、団体戦では俺だけしか勝てない。

 個人戦、顧問の先生の考えで


「3年生の引退試合にする。」


と言って出させてくれない。

 その顧問・・・弱い!

 剣道2段だが、段を持っているだけで顧問になったような人だ。


 高校生になり剣道の突き技が解禁された。

 入部初日顧問と稽古で立ち会ったとき、突き技で転がしてしまった。

 これもいけなかったのか・・・それ以来目の敵だ。

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