【企画参加用】 「ただの高校生だった俺に許嫁ができたので、溺愛してきていた姉と妹と幼馴染を振り払って恋愛します!」 第六話  なんだよ、もぉぉぉ、またかよぉぉぉ!!

海陽

第六話  なんだよ、もぉぉぉ、またかよぉぉぉ!!

「お前……なに? 飯食ってないの?」


ポークソテーカレーチリ南蛮、改めPKを食べようと家に上がってきたユリに問いかける。


「ん? うちは勿論食べてきたよー?」


「マジかよ……」


噓だろこいつ……。

自宅で朝食を食べて? うちでPK食うの?


俺が言うのもなんだけどさ、PK重いよ? 

考えてみ? ポークソテーカレーチリ南蛮だよ? ポークソテーとカレーとチリ南蛮だよ? 

馬鹿みたいに重いよ? それはもう、もう、ずっっっっっっしりしてるよ?

とても朝から食べるもんじゃないと思うよ??


それを、食べる。朝から。

しかも朝食を別に食べてきた状態で?


お馬鹿さんなの?


「……せめて残すなよ……」


「勿論よそわれた分は食べきるよー」


お前……絶対太るぞ……と思ったが口には出さないでおいた。



「あなた、絶対太りますね……」


「ぅうぇ!?」


やめてくれ凛!?



◇◇◇



朝食を食べ終わった俺は、凛、ユリと一緒に学校に向かって歩いていた。

ナナとは途中で別れた。


学校の近くまで行くと、俺の友人……かどうか最近怪しくなってきたような奴ら、が俺たちを待ち構えていた。


「……」


なんかやだな~……。素通りできないかな~……。

できる? できる?


スッ……。


「おい待てや」

「逃げられると思っていたのか?」


無理でした。


「正直思ってた」


「「極刑」」


え゛。


「お慈悲please」


「嫌だ」

「無理だ」


「あゝ非情」


「これが現実だよ……」

「すまんが諦めてくれ……」


「こんなに謝意の感じられない『すまん』初めてだわ」


半ばコントみたいなやり取りだが、馬鹿にはするなよ。

ここを上手く裁けるかどうかで俺の生存率が格段に……おいそこぉ!! 

ユリィ! 笑うなぁぁぁ!!(超必死)


「ちょっと事情聴取だ。付き合えよ? 匠」


「ンヒィヤダ!!」


「はいはい。申し開きがあるなら署で聞きますね~」


「た、助けて……!」


「ごめっ、ふふ、んふふふふ、つぼ、ツボった……! 無理……! んひっ、んくくくくく」


「ユリ!?」


「……私はなにも見ていませんわ……」


「凛!?」


俺はそのまま両肩をつかまれて連行された。


俺も無抵抗のまま連行されるわけではない。

最近経験したようなこの展開……。やるべきことはただ一つ。


「 なんだよ、もぉぉぉ、またかよぉぉぉ!!」


魂の籠った絶叫シャウトであった……。



◇◇◇



──────キーンコーンカーンコーン


「ようやく下校時間か……」


今日の学校はえらく長く感じたぞ……。

朝から友達()に問い詰められたからな……。散々だったぜ。


まったく。

これ以上はなにも起こりません様に……っと。


祈りながら下校開始……しようとしたところで。


「ちょっといいかしら!?」


凛が話しかけてきた。


「……どうかしたの…………?」


なんかきいたことあるよそのセリフ……。


「今度のお休みにちょっと私に付き合ってもらえないかしら?!」


うそでしょ……。

こうなりゃやるべきことはただ一つ。(本日二回目)


「 なんだよ、もぉぉぉ、またかよぉぉぉ!!」


魂の(ry


「近所迷惑とか考えたことあります……?」


やっべ。



「で、結局なんでなの? この前も行ったよね?」


「そうですが……。その、邪魔が入った、といいますか……」


邪魔……? あっ柚珠姉……。(察し)


「それは……うちの馬鹿がすまんかった」


「それはもういいのよ。ただ、その……」


? 赤くなってどうしたんだ?


「やっぱり、デートっていうくらいだし? 二人で、お出かけ? したい、なぁ……って……駄目、でしょうか?」


「ミ゜ッ」


かわええ……かわええ……。

天使はここにおったか……。


「ッ~~……! と、とにかくそういうことだからッ!? デートプラン考えておいてくださいねッ!?」


そう言い残して、凛は速足で去っていった。



え? 俺がデートプラン考えるの?

柚珠姉の力を借りずに……?

いや無理でしょ。絶対に。


でも、頼れる奴を、知ってる。

俺はすぐにスマホを取り出し、『響.5』と書いてある番号に電話をかけた。下校中? んなもん気にしねえよ! デートのが大事だわ!


2コールくらいで繋がった。



『やぁ、君から我に電話をかけてくるなんて珍しいね。いつもはメッセージで済ませてるのに』


「悪いな……」


『あぁいいさ。怒ってるわけじゃない。

で? 今回は何を相談するつもりだい? 我に答えられることならなんでも答えてあげるよ』


やっぱこいつはすげえな……俺の思考がわかるってゆーのか? 

さすがだぜ……!

そんなすごすぎる俺の友達に聞く。


「その……デートプランってさ……どうすればいいと思う?」


『おぉ。思ってもみない質問が来た……。

まぁ、余裕で答えられるけどね』


「神すぎる」


『我を褒め称えてもいいよ?

とかいう冗談はさておきさ、やっぱ定番どころでいいんじゃない?』


「というと?」


『水族館やらスイーツの食べ歩きやら。共通の趣味がわかってるならそれに関連するところでもいいかな? 

姿勢としては、ちょっとリードしてあげるくらいがいいと思うよ? ……こういうのだめなんだっけ? 性別で決めつけてるかな?』


「別にそんなことはないと思うぞ~」


『ふふ、ありがとう。

あとはそうだな……相手の好みがわからなくても、嫌いなものは最低限知っておいたほうがいい。下手なことをして嫌われてしまうこともあるだろうからね。リスクは最小に抑えよう』


「すげぇ……これが、恋愛マスター、ってことか……!」


『我はそんなに大したものじゃないさ』


「でもすげえよ! お陰で漠然としてた物の中身が見えてきたよ!

ありがとうな!」


『どういたしまして。

我はいつでも君の力になるからね。』


「そう言ってもらえると嬉しいよ。 じゃ、またな!」


『うん。デート、楽しみなよ』



ぶつっ……つー、つー



やっぱ『響.5』はすごいな……。

我ながらすごい友達を持ったぜ……。






──────────────────────────────────────





企画参加用です。

企画のページも置いときますね。



https://kakuyomu.jp/works/16818093077140311125

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