小学生が育てたホタルの幼虫を放流のはずが

ホタルを呼び戻して再び美しい景色を見られる街にしたい。ここ○○県××市のN野川では、5月25日の午前9時に、地元のN野小学校の生徒たちが育てたホタルの幼虫500匹を放流する予定でした。

「元気に育ってね!」「きれいな光を見せてください!」

N野小学校から10人の生徒、隣にあるN野幼稚園からは15人の園児が代表として一斉に声をかけながらテープカットを行い、飼育箱がN野川に向かって開けられました。

しかし縦2メートル、横幅3メートルの飼育箱の中から飛び出してきたのはおよそ1万匹のゴキブリの幼虫でした。川面に広がった幼虫たちは岸に上がったものから次々と、市街の方に逃げ出していきました。

催しを見学に来ていたおよそ300名の住民は、足元を走るゴキブリに悲鳴をあげパニックになり、15人が過呼吸の症状を起こしたり転倒などでけがをしりして、病院に運ばれました。

地元××市の教育委員会の責任者は、「なぜこのような手違いが起こったのか、全くわからない。N野小学校の生徒たちが大切に育てたホタルの幼虫はまだ行方が分からず、生徒たちの気持ちを考えるとやり切れない思いだ。このようないたずらを仕掛けたものには憤りを感じる。」と、肩を震わせて話していました。

ただ、N野川では例年通り6月中旬にはホタルが淡い光を発して飛んでいるところが観られるだろう。問題はないとの話でした。

光らない虫もいるけどな。

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いわゆるフェイクニュース オッサン @ossane

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