締めくくり

憂しよをば 立つ年ならむと した歳に 悪魔が細く 笑いぬるかな


去年丑年で職を失い、来年の辰年こそはと去年の年末いろいろ考えました。私はそんなにひどい障碍ではないのですが、父が亡くなり、発狂した17歳から障碍者として人生が決まりました。もちろんその時は悲しいと言うより、私は大学へ行く事を夢み、また、2年後、大学へ進学しました。

しかし、私の誕生日に再び障碍がひどくなり、母は「大した事ない、大学へいけたのだから、やり通せ」と私を叱咤激励してくれました。たまたま父の遺産があったのですが、私は大学を8年かけて、母はその間働きづめでした。その母に何とかして恩を返そう返そうと躍起になっても、50歳を過ぎてもまともに仕事をしてきませんでした。

大学は高校時代の成績がよかったので、奨学金を貰っていたため、卒業と同時に返済をせまられましたが、私は延期延期で何とかごまかし、返し終えたのが去年でした。その5年前に結婚した女性がもの凄く理解ある女性で、彼女と貯めたお金を借金の返済に当てたのです。彼女と会うまで私は働きはしていたものの、生活保護をうけていました。彼女と結婚すると同時に保護を抜け、新しい職に移り、焦らずに、と仕事をしてました。その後新型コロナ騒ぎで仕方なくやめて障碍者として訓練を受けていました。

お正月になり、自宅でテレビを見ると能登半島地震、11日には東京にいる母が突然亡くなり、打ちひしがれ、不幸は慣れっこ、とした私に更に追い打ちをかける様な今年の出来事。慣れてはいましたが、まだ、まだ、先は長い、、、と明るく生きております。


憂し(丑)よ(余「わたし」、世)をば 立つ年(辰年)にしようとした私は歳をとったが、まだまだ悪魔が私のことを笑っている、とした意味です。

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