第3話

妹が目を覚まさないまま時間は動いている。


怒りと悲しみで暴れたい。


俺から唯一の大切な妹をこんな目に、よりによってアイツらに奪われた。


・・・やつらは二人乗りをして、スピードを出して止められなかった。


やろうと思えば、きっと二人が自ら犠牲ならば妹への衝突は避けられた筈だ。


「・・・許さない。絶対に許さない」


そして、優は後悔していた。


あの時の力の不甲斐だけじゃなく、奴らを追放することは出来た。


調子に乗らないほどに追い込むことは出来たのだ。


何度もされた派手な虐め・・・簡単に証拠が残せる。今日の階段もそうだ。


今まではずっと、逆ギレとか・・・同情とかがあった。


だが、もう当然ない。


「・・・っ」

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