鬼の王〜最凶の体と精神を手に入れたので大陸制覇してハーレムを築く〜
四季想歌
一章
プロローグ
「んああ、ガイザック様…」
「ハァ…ハァ…ガイザックさん…」
「はふぅ〜、ガイザック殿…素敵ですぅ…」
熱い吐息が胸にかかる。
鼓膜をくすぐるような甘ったるい声。そこに込められた深い愛とも取れるモノを耳から流れ込んできて、脳が溶けてしまいそうだった。
(まったく……俺がこんな美女や美少女をはべらせている事に未だに不思議だ……)
全身に柔らかく温かい肉体が重なるように全身を包む。それに俺はこの上なく幸福感と蹂躙したことへの達成感を味わっていた。
ガイザックはキングサイズの大きなベッドに横になって今日の俺の当番である3人を見ながら思う。
俺に組みした彼女達 ―― 年齢、種族、国籍、髪や肌の色。あらゆるものがバラバラの女性らだが…俺を見つめてる瞳は、共通として情欲に染まっている。
潤んだ瞳はガイザックの姿だけを映していた。花びらのような唇からは物欲しげにチロチロと舌が出入りしており、まる獲物を前にした蛇のようである。
男を誘う官能の表情。本能に支配された牝の顔。おまけに……下着やネグリジェなど、いずれも肌を見せつけるような薄着を着ている。
唯一の男であるガイザックは、間近でそんな姿を見せつけられてクラクラとめまいを感じてしまった。
この場にいるのはいずれも類まれな美女・美少女ばかりである。
そんな彼女達は冒されたように理性を飛ばして、ガイザックを求めてくるのだ。
これで平静を保つことができるとしたら、それは同性愛か、あらゆる煩悩を克服した生物では無い存在だけだろう。
(実際、〘魔法〙に冒されてるんだろうだがしかし……堪能せざる負えない……)
堪えがたい欲求に駆り立てられながら、ガイザックは頭の片隅に残された一抹の理性でそんなことを考えた。
この場にいる女性はいずれもガイザックの虜になっている。それは打算や恋愛感情だけが理由ではなかった。
彼女達の身体はもはや快楽を植え付けられて冒されているのだ。全身を余すところなく甘い液に支配され、本能を剥き出しにさせられてガイザックのことを求めていた。
そんな女性に手を出すことに……なんら罪悪感はない。何故なら俺が生まれた種族は鬼という存在で蹂躙し、征服する事こそ何よりの楽しみなのだ。
(だけど……きちんと責任を取らなくてはいけないよな。この娘達を虜にしたのは俺だ。俺がいなくてはいけない身体にしたのは、俺の矜持なのだから……)
そう思っていたら
「ガイザック様……私を、どうか私にお情けをくださいませ……」
「……ああ」
俺の横で寝ている白い素肌と黄金に輝く長い髪を靡かせる美女が熱に浮かされたように言ってくる。
ガイザックは頷いて……彼女の細い腕を掴んで、柔らかな肢体を抱き寄せた。
そう、俺は彼女に責任を取らなくてはいけない。
ガイザックは彼女達を支配者する王者にして世界を統一した覇者―『鬼の王』という存在なのだから。
自分の行いで、蹂躙し彼女達の国を滅ぼした責任をキチンと取らなくてはなるまい。
「お前たちは、何があろうと守ると誓ったあの日から……俺は最凶であり続ける。それが一族……鬼としての矜恃だ。」
「ああっ……」
ぼんやりとつぶやき、ガイザックは腕の中の美女に唇を奪う。
そんなガイザックの腕や脚に別の女性が抱き着いてくるのを感じながら……ガイザックはここに至るまでの経緯を頭に思い浮かべる。
これから語られるのは、一人の王の誕生の物語。
後の時代において『暴君』とも……『魔王』とも称されることになる、一人の魔人の蹂躙と略奪の異世界戦記の物語。
『鬼の王』と呼ばれた男の誕生と戦争の物語である。
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