<十三>よくできました

私は

「よくできました」

という言葉が嫌いだ


いろんなことを強制してくる

人物たちの言いなりみたいで


しっかりと

自分の気持ちを言えない

ぐずる自分が嫌いだ


「よくできました」の威圧感に

逆らえないような気がして


「よくできました」という言葉は

小さい頃からずっと

親に言われるために努力してきた

親を怒らせないように

癇に障らないように


不自然さもあってはだめだ

そこをつかれて居場所を失う


毎日毎日顔色を窺って

返答にじっくり時間をかけて

考えて、考えて、考えて

それでも怒られてしまう自分に

どうしようもなく腹が立つんだ


でも

今まで自分が生きているのは

全部周りの人のおかげだ

逆らえるはずがない

だけど正直な気持ちが言いたい


大声を上げて

押さえつける両手を振り払いたい

でも、勇気がない


「よくできました」

そうつぶやかれるたびに

演じてる自分の心に

針が刺さってく


自分自身が

とても憎らしく思えてくるんだ


どうかこの気持ちが

いつか空にばらまかれて

私の言葉として機能しますように


私のように

気持ちを抑え込む人たちが

少しでも減ってくれますように

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