<九>人

世界に

たった一人の私たち

どこを探したって

同じなのは自分だけで

誰もまねできない

まねなんかさせない

個性がある


人は弱く脆くって

独りで勝手に傷ついて

その痛みを言えないままで

閉じこもるしかなくて


我慢して欺いて

笑いを浮かべて


嘘ばっかり吐いて

人を騙して


また一人で泣くしかない


そんな自分勝手な存在なんだと

誰かが言ったことがあった


ただ

人だからこそ

持っている物もあるんだよと


教えてくれた

導いてくれた

話を笑わないで聞いてくれた


そんな些細なことが

その声が


私の大切な記憶なんだ

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