第1話(2)

第1話 シーズン1/リポート1/セクション2

救世の血 セイバーブラッド シーズン1 第1章 導かれる希望


1.宇宙傭兵


 リヴァーは、セキュリティを狂わせた隙に忍び込んだ。気配を悟られないよう潜入する彼だが、早速、邪魔者が現れた。


コツコツコツ…

 軍事施設内には見張りの武装兵がうろついており、リヴァーが見つかるのも時間の問題であった。そこで彼が取った行動は…


「…!」

 リヴァーは一人の武装兵を背後から襲い、暗闇に引き込んだ。彼は気を失った武装兵の軍服を脱がして、それを変装に利用した。


[…異状ないか?]

「こちら問題ない」

 見張りに扮したリヴァーは、無線機の声に応答して、任務遂行に尽力した。


 リヴァーは目的地に到達した。球技ができるくらいの広さの格納庫であったが、特に目立つ収容物はなく…


……ピピ

 リヴァーは格納庫内を物色、設置されている端末を操作し始めた。すると…


 格納庫に異変が起きた。格納庫内の床の一部が迫り上がっていき、謎の単体装置が現れた。それは数え切れないほどの数が確認されて…


 リヴァーは軍事施設の秘密を掴んだようで、証拠として格納庫内を撮影した。

そして…


 リヴァーは格納庫内に爆弾を仕掛けて、一斉に起爆させた。


「…何事だ?」

「か…格納庫で火災だ、爆発したようだ」

「すぐに原因を調べるんだ!」

 軍事施設内は格納庫の爆発で錯乱状態となり、武装兵たちは直ちに現場へと向かった。リヴァ―は目的を果たして、後は軍事施設から脱出するだけであったが…


 燃え盛る格納庫付近で、激しい銃撃戦が展開された。武装兵の武器は、プラズマ粒子弾を発射する銃器で、リヴァーは盗み取った得物で応戦した。彼は苦戦を強いられていき…


「…ぐぁ」

 リヴァーは武装兵の攻撃を避けきれず、左肩を負傷してしまった。彼は窮地に追い込まれる中、軍事施設の下水道まで辿り着き、どうにか、追手から逃げることができたが…


「はあ、はあ…」

 リヴァーは怪我や疲れで意識が朦朧もうろうとした状態で、自力で森を抜けていき、軍事施設から離れようとした。彼の瞳にはかすかな街の光が映っていた。


 リヴァーは市街地の夜景に吸い寄せられて、そのまま、ひたすら歩いて行った。

 それから夜が明けて…



 場所は独立連邦西部インデペンデンス・フェデラル・ウエストテリトリー通称IFW。かつてはカリフォルニア州サンフランシスコ地区シリコンバレーであった。。

 シリコンバレーは半導体産業、大手ソフトメーカー、ベンチャー企業で栄え、情報・通信産業のメッカであった。現在は〝ネオ・シリコンバレー〟と呼ばれ、地球連合軍の法律で、民間の技術力を軍事力に反映させるため、過半数の民間企業がIFの傘下に入っていた。


 早朝の時間、ネオ・シリコンバレー区域の車道には、一台のホバートレーラーが走行していた。作業着ツナギ姿のブロンド女性運転手が呑気な顔で運転していたが…


 ブロンドの女性運転手は思わず急ブレーキを掛けた。車道の真ん中で男性が倒れていた。

「…ちょっと、大丈夫ですか?」「………」

「良かった、気を失っているだけね…でも怪我をしてる…」

 ブロンドの女性運転手は、衰弱した男性を自身のホバートレーラーに乗せて助けようとした。彼女の名はエリザベス・ロック・ハワード。エリザベスに助けられた男性は、リヴァ―であった。

 これは神の悪戯いたずらか、彼らは運命的な出会いを果たした。

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