母・娘・わたし【仮】
朝比奈 萌結
「あなたは、自由でいいね」
これは…高校2年くらいだったかな。
ふゆ。
塾の帰りに車の中で母から言われた言葉。
「自由」って言葉に疑問をもった。
なにが自由だって。
好きじゃない授業を受けて
身にならない解説を聞いている拘束時間。
理解する前にどんどん進む授業。
毎朝の小テスト。
部活が終わるとまっすぐ塾で勉強。
もちろん、小テスト勉強をする時間はない。
塾が終わり帰ると23:00過ぎ。
誰もいない、暗い家に帰る毎日。
朝は自主練したり、朝勉するために6:00に家を出る。
もちろん、土日も休みはない。
土日こそ、休めない。
勉強を追いつかせるための時間だから。
部活がたくさんできる時間だから。
たしかに、部活は私がやりたくてしてた事。
母が言う「自由」に入る。
他は…
自由に入るのか、よくわからない。
母親になった私は、母が言った「自由」を
ちょっとだけ理解できた。
お母さんは、朝起きて家事して、仕事に行き、帰ったらまた家事。
休む時間、なんなら
ご飯を食べる時間すらない。
そっか…
「自分のための時間」が欲しかったんだね。
でもね…
「あなたは、自由でいいね」
じゃなくて
「あなたも、がんばってるね」
って言って欲しかったよ。
だってちゃんとみてたもん。
ママが毎日家族のためにがんばってる姿を。
お母さんに全部の家事を任せないで
家族で分担しよう。
だから、あなたもちゃんと言おう。
「手伝って」って。
家族だもん。
嫌じゃないよ。
みんなが手伝えなかったのは
あなたが「やり方ちがう」って、
ムスムスしちゃうから。
やり方ちがうとイラッとしちゃうよね。
わかるわかる。
でもね、怒らないで
口でやり方教えてくれたら
ちゃんとできるよ。
手伝ってくれるよ。
だって、みんなお母さんが大好きなんだよ。
手伝わないはずないでしょ?
自分でやった方が早いとか
そんなんいいよ。
ちょっと任せちゃえば?
自分で休む時間、作ろう。
「あなたは、自由でいいね」
➭自分の時間がほしい
八つ当たり、ひがみ、なんかじゃない
❁「手伝ってほしいんだ」
母・娘・わたし【仮】 朝比奈 萌結 @Asahina_Mei
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