前世の子守唄

満月の夜

あやかしの夜


小さな花を供えるように

歌を捧げる鳥は何色?


数多あまたの粒子がせめぎ合う

色彩豊かな闇の色


上弦の月の夜に別れた人を

少しだけ思い出し

一秒間だけ悲しんだあと

耳を澄ませば


天壌てんじょうに漂う波の響き

集まりほぐれ

ほぐれて集まる

無窮むきゅう音波おとなみ


闇色の鳥と共鳴し

やがて宇宙の調べとなる


遥かむかしに聞いたような

遠い前世の子守唄


うつらうつらと聞き入るうちに

安き眠りの扉が開く


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16817330649311086914

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