Slice Of Life「日々の命」
一生懸命、寿司を食べるコナミアンドロイド。
つまり、私の横に居るのは「2023年度人間型コナミ」、1号機。
「ハムッ、ム、ウマイ。」
「ああ、それ位にしておけ。 後で膨れるや。」
そんな私の助言にもお構いなしで、困ったもんやなあ。
……ああ、こう言った所で自己紹介をせなければ。
私は「人型レジャックアンドロイド」、通称レジャックと呼んでくれれば、「いいんだ」。
私は大した事ないもんで、コナミの後を追っては先輩役と言うもんで、お役に立てれば、「いい」。
所で、レジャックと言うものは元々コナミ工業の販売委託という形の型なもんで。 ジュークボックスの修理から卓上ゲーム機の販売まで受け持つ、いわゆる古い営業や。 あっ、「なのだ」。
私はコナミアンドロイドの中でも最も旧型、1号機というもんで、重要に扱われ頼りにされてるという事、「なんだな」。
っと、自己紹介が長くなりつつある間にコナミは寿司を全部食べてしもうた。 あっ、「しまった」。
「ゴクッ、ムヘヘ。 ムグ。 チッ、チッ。」
「美味しかったか? また何時でも来れるやから、もう帰ろ。」
「ムウ。 プフーッ。」
そんなわけで、二人で宿舎に帰ったのだ。
KONAMIが手配した、私達の、いわゆるお家の様なもの、「で」。
ここで何をするかというと、まず靴を脱いで、それから……
「バッタリ。 スヤスヤ。」
おおっと、ここで寝るかコナミ?!
何でやねん!
「コナミ、そんなに眠いのか? まだ良い所には到達してへん、起き上がれほら。」
「ムニャムニャ……」
……さてさて、私達コナミアンドロイドは消化可能な胃袋を搭載しておりまして、まさにその技術はKONAMIの誇るアンドロイドで、「あります」。 ただ、限度というものもありまして。
「もお、仕方ないな、私がこのまま連れてくや。」
一生懸命担いで。 やっと部屋の真ん中。
私レジャックと言う者は、恥ずかしながらコナミに良を抱いておりまして、KONAMIの将来と共に歩むモノがあるん、「です」。
それは、私達の営みにも及ぶ、厳しい指令と言うよりかは、誠に勝手な目的が有りまして……
ベットで、二人で一緒っきりになって。
「コナミ。 さっき言ったやろ、膨れるって。仕方ないなあ。」
「ムニャ…… スヤ。」
「かわいいな。 寝てるフリ、ってやつか?」
「なあ……」
ああ、なんて恥ずかしい事を見せなければならないのか、私はここで彼の耳元に囁いた、「のだ」。
「コナミ……」
そうするとヒクッと反応をして、咄嗟に口を塞がれて。
一言、こう。
「ヤメテ。」
そうしたら、手を避けて、私も言葉を揃える。
「! 何や。 急に目覚めたか。 アハハ。」
「……フン。 ムムム。」
「好きや、お前の事。 KONAMIは永遠だからな。」
これもアンドロイドとしての模索の一つ、いわゆるヒト型の営みなのかも、「しれない」。
とりあえずその日は、その様にして二人寝たが、どう言うわけか次の日にコナミは一人で自分の部屋に戻った様で。
全く、仕方ないなあ。
……KONAMIは不死の存在や。
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