第一部 序章 -始まりは放置国家-
プロローグ、あるいは……
――目の前には、巨大なドラゴン。
苦労の末ようやく追い詰めたそれに、俺は複雑な感情を覚えていた。
「レンドウ君、お願いします」
「やっちまえ! ――あ、これ使った方がいいんじゃねぇか!」
「レンドウならできるよ!!」
「頑張って!!」
「……こっちもお返しします! 頑張ってください!」
投げ渡された二振りの短剣を、両手を使ってキャッチした。
「……わーったよ、とりあえずやってみる」
■■■■、ダクト、レイス、カーリー、
グダグダしている間に■■が復活でもしちまったら、死んでも死にきれねェもんな。
――さっさと済まそう。
――終わらせるんだ、この戦いを。
「決めちまえッ!!」
「頑張ってー」
「ふんっ」
「レンドウ君、頼む!」
「決めてください!」
「油断しないで!」
「終わらせてくれ」
「……やれ」
■■■■、■■■、アシュリー、
殆ど重なっていたそれらの声を聴いて、思わず笑みが零れた。
いや、でもこの状況で「ふんっ」は無くないか?
どんだけ素直じゃないんだよ。俺が言えたことじゃないか。
――仲間たちの期待を背負ってんだ。
最後くらい、俺が決めてやらねェと……なァッ……!!
そうして……今までの人生で、最高の一撃を放つ。
――これは……記憶を無くした俺が人間界を訪れ。
友を得て、愛を知り、呪われた■の龍を滅ぼすまでの物語だ。
まさかこんなことになるなんて、一年前には想像もつかなかったよな。
だってどいつもこいつも、最初は敵だったんだから……。
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