第13話 クソ魔法で拷問 前編

「紹介しよう、人間のソロモンだ。こいつは人間だが異世界人でな。我々魔族につくこととなった。よろしくしてやってくれ」


 ホルヌスは謁見の間に仲間を集めると早速俺のことを紹介した。集まった魔族は角の生えた人型の者もいれば、顔がライオン等の動物だったり顔の八割が口だったりと異形の者もいる。中には色っぽいねーちゃんやラミアもいたりと多種多様な種族がいた。


「ホルヌス様。こいつからはそれほどの力を感じません。本当に役に立つのですか?」


 ライオンの顔をした奴が疑問を呈する。するとホルヌスはニヤリと笑った。


「直接的な戦闘力ではお前には到底勝てんだろうな。だがこいつの能力は実に面白い。こいつが成長すれば街を1つ落とすのも容易になるだろう」

「してその能力とは?」

「こいつはウンコと寄生虫を操る能力を持っている。それだけ聞けば実にくだらない能力だが、人間相手には絶大な効果を期待できるだろう」


 ホルヌスの答えにこいつらはお互いの顔を見合わせ、理解できないという顔をしていた。そらそうだわな。


「それがなんの役に立つのか全く理解できませんが……」

「まず真っ先に思いつく使い道は拷問だろうな。捕えた人間どもから情報を引き出すにはうってつけだろう。人間は糞便を嫌うからな。それにこいつの寄生虫を使った拷問は俺でも耐えられるかわからんほどだ」


 ホルヌスは俺をチラリと見る。確かに寄生虫ダキムを使った拷問はかなりエゲツナイものになるだろう。他にもヤバイ寄生虫はいくつかいるしな。


「なるほど、拷問官ですか。相手の尊厳を踏みにじる拷問が期待できますな」

「是非見てみたいものね。ちょうど捕えた人間もいるし、やらせてみてはどうかしら」


 やたらと色っぽいねぇちゃんが舌で唇をチロリと舐めて提案する。それにしてもスゴい格好だな。ほとんどレオタードだしスタイルもいい。コウモリみたいな羽根があるし、サキュバスか?


「だそうだ。どうだ、やってみないか?」

「いいぜ、やらせてくれ」


 俺はその提案を快諾した。クソ魔法を使う機会が増えればレベルも早く上がるはずだ。レベル10が最高らしいからカンスト目指してやるぜ。


 それにしても寄生虫を使った拷問か。よし、せっかくだしあいつを使うか。マジでおぞましい寄生虫がいるんだよな。人体実験と洒落込むかね。


「私が案内するわ。いらっしゃい坊や」

「おう」


 色っぽいねぇちゃんは早速先導し、謁見の間の出口へ向かった。俺は早足でその後ろを追う。うむ、実にいい尻をしている。拝ませてもらわないとな。





「ここよ」


 そのねぇちゃんに連れられた場所は地下牢だった。そこには鎖に繋がれている女騎士がいる。これはあれだな。是非とも「くっ、殺せ!」と言わせてあげるのが優しさというものだろう。


「この女は?」

「ブルーレットの街を守る騎士団メンバーの一人よ。魔獣討伐に来ていた騎士団を襲って捕まえたのよ。でも一人やたら強いやつがいて、そいつのせいでほぼ返り討ちね。このままじゃ悔しいからそいつに報復するために情報が欲しいのよ」

「なるほど、こいつの騎士団の強い奴に関する情報を吐かせればいいんだな?」


 吐かせる内容は名前とクラスとスキルってとこか。弱点や家族構成なんかもわかるといいな。


「ええ、期待しているわ」

「任せろ」


 色っぽいねぇちゃんが牢屋の鍵を開けたので中へと入る。女騎士は両腕を天井から吊るされてバンザイの格好で床に座り込んでいた。鞭打ちの痕があり、痛み程度は与えたわけね。


「おい女。今から俺がお前を取り調べる。さっさと情報をさえずれば楽になるぞ?」


 俺の声に反応し、女騎士が顔を上げる。そして物凄い目力で俺を睨みつけた。へぇ、結構美人じゃねぇか。心をへし折ったら犯してやるかな。


「お前人間か! なぜ魔族に味方している」

「そんなの俺の自由だろ」

「私をどうする気だ。犯したいなら犯せばいいだろう。そんなもので私の心は折れん」

「美人だし犯してやりたいが、今回は俺の能力をお仲間に披露することになってるんでな。まぁ、耐えられなくなったら言ってくれや」


 俺はニヤリと笑い、まずは強制便意を発動させることにした。先ずは尊厳を踏みにじって苦痛に歪ませてやらんとな。


「強制便意!」

「うっ!?」


 俺が強制便意を発動させると女の顔が苦痛に歪む。顔が紅潮し、歯を食いしばって便意に耐えているのがよくわかる。だが女のすぐ横には穴があり、そこが恐らくトイレなのだろう。


 俺はそのへんの板を拾い、その穴に蓋をしてやった。


「な、何をする、そこはトイレだ!」

「トイレなら俺が用意してやる。ここにちょうどいいバケツがあるな。持ってきてやるからそこでしろよ」


 俺はバケツを持ってきて女騎士の前に置いてやった。なんて親切なんだろうな俺は。


「わ、わかった。う、後ろを向いててくれ」

「なんで? こんな楽しい見世物ガン見するに決まってんじゃねぇか。今夜のおかずは決まったな」


 俺は下卑た笑いを浮かべ、舌なめずりしてみせた。美人女騎士の排泄ショーとか金払って見るレベルだろ。脳裏に焼き付けるに決まってんじゃねぇか。


「こ、この変態めっ!」


 恥辱に満ちた目で俺を睨み、女が吠える。なかなかいい表情だな。そそるじゃねぇか。だが本番はこれからだぜ?


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