107.孫の変化

――― 前書き ―――


短めです!


――― 本編 ―――


 家に帰宅した際に、詩季と陽葵ちゃんが2人で、出迎えてくれた。


 家にあがり、エロじいさんと政伸さんが、家に赤い箱の中身の使った後が無いかの捜索をして貰った。


 何も、してはいけない訳ではない。


 2人が、男女の交際関係にあって同意の上ならしても良い。むしろ、好き合って交際しているのに、そこを制限した場合の反動が怖い。


 結果的に、赤い箱の使用後のゴミは、見つからなかった。


 詩季が、避妊を怠って行為に及ぶと思わない。だからこそ、2人は、関係を持たずに一晩を過ごしたという事だ。


 そして、2人に、今の関係性を聞いた時に、更に安心した。


 私が、一番危惧していた事は、起こっていなかったようで安心だった。


 安心したのとは、裏腹に残念に思った所もある。


 一晩、一緒に過ごしたのに、2人の関係性が友人のままだったことだ。


 普通、年頃の男女が一晩を一緒に過ごせば、何かしらの意識の変化があってもおかしくないでは無いか。


 なのにだ。


 家に帰って、リビングを見てみれば、昼食を食べた後以外に、勉強道具があるではないか。


 私は、素直にこう思った。


 真面目すぎだろ!


 私の想像では、予定より早い帰宅に驚いて、出迎えてくれると思っていた。直線まで、甘々な空気で居た名残が見られると思っていたんだ。


 なのに、出迎えた2人は、悟りを開いていて、もしかして、カップル成立してそのまま結ばれたと思ったのにだ……


 勉強をして、疲れた頃合いで昼食を食べて満足したから悟りを開いていたのだ。


 友人関係から発展したと思った私の期待を返して欲しいよ。


 何で、この孫は、陽葵ちゃんの好意に気が付かないのか。


 陽葵ちゃんが、詩季のサポートをしてくれている。妹の陽菜ちゃんを助けて貰った恩もあっての事だが、彼女には双子の兄の陽翔くんが居る。


 普通なら同性の陽翔くんが、詩季のサポート役になるだろうが、異性である陽葵ちゃんは、詩季のサポートと言うか、詩季の隣を譲るつもりは無いようだ。


 もう、その時点で、詩季に対する強い好意がある事は、解るでは無いか。


 なのに、詩季と言ったら、陽葵ちゃんの好意に全く気が付かないでは無いか。あんなに、好き好きオーラが全開なのにだ。


 そんな、超堅物鈍感男の詩季が夏休みに、陽葵ちゃんと2人で遊びたいと言った際には、関係性が発展するかと思って、お泊りうを提案して訳だが……


 全く、変わっていないでは無いか!


 ただ、友人として一緒にお泊りしただけではないか。


「鈍感なのは、罪だよ」


 あまりにも詩季の鈍感が酷いので、そう言った。


 そうしたら、詩季と陽葵ちゃんの反応が、いつもと違った。


 私は、桜さんと目を見合わせた。


 これは、2人の関係性は、恋人にまでは、行かないにしても、何かしらの発展はあったな。

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