第15話 治癒魔法ミュージカル(1)



なんとか医務室に戻ってくることができたよ。。。兜修理に出すだけのはずがなんかすごい疲れた。。。


ドアを開けて医務室に入ると医官のローランド先生がいた。



「あれ?どこに行ってたの?まだ回復してないからもう少し寝てないとダメだよ?」



「あっ、先生。終業前に整備課に行って破損した兜の修理を頼んでたんですよ。


ただ、装備大切に扱えって(ホモの)バルガスさんに拳骨もらっちゃってまたフラフラするようになっちゃいました。」






ローランド先生は癒し手を多く輩出するランドール侯爵家の三男で、


本人も戦地での医療の功績から名誉子爵に序せられた鬼才である。


さらに連隊長なのに現場主義で平民の私達一般兵士にもかなり優しく接してくれる人格者。



ちなみに先生の娘さんは、2年前に国から現世聖女に任命されたそう。


あと、既婚者なのに30代以上の独身女性兵士に何故か絶大な人気があるイケオジ系医官である。


・・・もてる要素しかねぇな・・・既婚者なのに・・・(大切なことなので2回ry・・・)



「それは災難だったね。さてと、バイタル鑑定。」



先生はまっすぐにこちらを見て目線は何かを探しているように見える。



「これはまた回復魔法かけないとダメだね。さっきは回復魔法だけでは追いつかなくて回復薬も使ったんだよ。」



私の残存HP低すぎ・・・


ていうか本当に訓練で死にそうになってるじゃん・・・



「少し待っててね。」



そう言ってローランド先生は奥から大仰な杖を引っ張り出してきた。


青・赤・緑、様々な宝石を埋め込まれたその杖は素人目に見てもかなりの高級品だと理解できる。


さらに純白のローブの上から紫のストラをかけたその姿はいかにも歴戦のヒーラー然としたものだった。



「エクストラヒール!!」



無詠唱からの高位回復魔法発動、難易度は脅威のSSS級!!


あたりが眩く暖かい光に包まれていく。



「バイタル鑑定。よし、バイタルも赤から普通に戻ったようだね。もう大丈夫だよ。」







先生は一仕事終えた様な顔をしてこちらを見た。


ただ、この先生に対しては皆が知る暗黙の了解が存在する。


・・・ぶっちゃけこの先生が調合した回復薬のほうが効きがいいんだ。



ただ、最初から回復薬をくださいと言うと、


ものすごく寂しく切ない顔をしながらそうかいと言って回復薬を渡してくれる事になる。


人格者の先生が子犬がおやつを横取りされたような目で見てくるから、ぶっちゃけかなり居た堪れない気持ちになる。



だからいかに先生のプライドを傷つけないように回復薬をもらうのが重要というのが私達一般兵士の暗黙の了解になっていた。







「先生、ありがとうございました。」



そう言った後に自分のステータスを確認してみる。



HP:75/268



うん・・・・・12回復してるね・・・さっきまで赤く表示されてたのが白には戻ってる・・・・・


先生がよくバイタルって言ってて何のことかわからなかったけど、もしかしたらこの枠の色が先生には見えてたのかな?



・・・やばい・・・この流れだと回復してないまま医務室をエントラッセンされちゃう!?


さらに明日そのまま討伐任務につくと、もれなく人生もエーントラッセン!?


ヤバーイ、レックス超ヤバーイ!!



これはとりあえずまたなんとかうまい具合に言って回復薬を貰わないとまずそうだね・・・・


それにしてもなんで12しか回復しないのかな?中途半端すぎるでしょ。。。



ここはひとつ調べてみるか。。。


(ステータス☆)(だんだん恥ずかしみがなくなってきた)




名前  :ローランド・ランドール

年齢  :42

レア度 :ミスリル ☆☆☆☆☆☆

職業  :フリージア王国衛生兵

     フリージア王国貴族

階級  :衛生大佐

     フリージア王国名誉子爵

役職  :第3師団衛生連隊長

レベル :1

EXP :0/100

HP  :938/938(+60)

MP  :536/560

攻撃力 :205(+10)

防御力 :208(+60)

物理貫通:133(+20)

魔力  :1(-210)

素早さ :137

魔法防御:183(+40)

運   :7


スキル :応急処置        20/20 初動40秒、使用回復薬の効果

                 1.2+0.8倍で回復する CT80秒

     適切処置        同じ傷に対してもう1度回復薬を使用できる

     救急救命        HPがマイナスになった後に(2分以内)

                 5分間命を繋ぎ止める

     緊急手術        命を繋ぎ止めれるが6時間行動不能になる

     薬剤調合        回復薬を作成する

     バイタル鑑定      バイタルがわかる

     薬草鑑定        薬草を鑑定する

     病状診察        病状が分かる                                

魔法  :生活魔法        消費MP1

     ヒール         消費MP(MAX3)×魔力×0.4 CT20秒×消費MP                                            

     キュア         消費MP6 毒を除去する

     エリアヒール      消費MP(MAX24)×魔力×0.2 

                 効果範囲10M CT20秒×消費MP

     ハイヒール       消費MP(MAX6)×魔力×0.6 

                 CT40秒×消費MP 

     エクストラヒール    消費MP(MAX12)×魔力×1 

                 CT60秒×消費MP

装備  :無詠唱の杖      (攻撃力+10 物理貫通+20 魔力-250)

                 無詠唱で魔法を打てる

     王国治癒術士の白衣  (HP+40 防御力+40 魔力+20 

                 魔法防御+20)

     上級治癒術士のストラ (HP+20 防御力+20 魔力+20 

                 魔法防御+20) 

備考  :上級ポエマー

     上級ダンサー



つっよ・・・・でも魔力低!!


イケオジ系でさらに強いなんて反則かよ・・・



序盤のお助け強キャラ系ヒーラー・・・ミン○かな?


ア○テマだけは・・・覚えさせてはいけない(戒め)



それにしても・・・上級ダンサーと上級ポエマー・・・


なんだ??心が、心が痛い・・・



おっ母ーーっ!!おっ母ーーっ!!心がもたねえよ!!!心が痛えだすーーーっ!!おっ母ーーっ!!


って今はそれどころじゃないでしょ!!



ていうか先生の魔法の効きが悪いのって全部あの豪華な杖のせいじゃん!!


ここは杖なしでちゃんと詠唱してもらったらHP全回復するんじゃね?(知将)



回復薬もらうよりもそっちの方が説得しやすいかも?


ここはちゃんと詠唱してもらう方向で先生を説得すべきだね。



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