暮夜の猫

薄暮の烏

暮れる夕日はまだ輝いて　響く喧騒街の音

沈む陽の音色は寂しくて　夜が来ることを知らせる

月は遠い昼から帰って　陽を飲み込んで夜を告げる

昇った月は昼を掻き消し　夜は澄んだ星をばら撒く

昼が終わり沈む街の明かりは　影は家を藍に染めてく

昼が消え夜に飲まれる様は　まるで烏の鳴き聲

別れあの人の友はまた明日　僕を笑い励ますか

帰った家で生きた夕暮れは　明日もくりかえされるのかな

輝く星の光はいつか　今日の夜を染めるかな

滲む景色は涙の気配　夜に依存してくのかな

昇る月が光る理由は　夜に依存させるため

朝から逃げる僕がいる

宵が始まらず　昼が続くなら

君の声が聞こえるだろう

昼が始まらずに夜が続いたら

君の声は届かない

月が昇る　あの陽　あと少しだけ

陽が暮れては　月が　夜を始める

朱が消える　昼は　終わりを告げる　ああ

夜が来る　昼は空でもがいて

昼はもう明日で待っている

暮れる陽が　僅かに残る　後が　もう

夜が始まらず　昼が続くなら

君の声は聞こえるだろう

昼が始まらずに夜が続いたら

君の声は届かない

昼に溶ける夜が終わらずに

ああ聞こえる薄暮の烏