パイロンが飛ぶ凩や夜勤明く




 パイロンが飛ぶこがらしや夜勤明く


 僕は昔、半年程警備員をやったことがあります。冬の夜勤はひたすら寒く、絶望的に長いです。


 ある夜、環八かんぱちで交通誘導していると、木枯らしでパイロンがすっ飛んでゆきました。パイロンは、工事現場にある赤い円錐形のアレです。カラーコーンといえば分かりやすいでしょうか? それを走って追いかけるのですが、追いかけている内に、また突風が吹いて他のパイロンが飛んでって、収拾が付かなくなったりもします。

 夜勤明けはくたくたでした。


 季語は「凩」です。



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