消耗品は星巡る騎士となる。
@highvall
プロローグ
人類が、宇宙に進出して幾星霜。
人類の飽くなき欲望は、時に内輪もめをしながらも広大な銀河を股にかけていた。
だが、どんな黄金期にあった国もやがて衰退するかのように。
人類に大いなる敵が現れたのだ。
東暦4210年
辺境惑星の1つ。
ガイジュⅡに降り立った先遣調査団が謎の失踪を遂げた。直ちに真相究明のため第2次調査団が組織され、ガイジュⅡに向かった。
第2次調査団が目にしたのは、荒れ果てたベースキャンプだった。
荒れ果てたベースキャンプには生存者も死者の姿も見当たらなかった。第2次調査団は一つの破損した映像データを発見した。
復元のため一部の団員は宇宙船に戻り、残りの団員は調査続行となった。
復元した映像データを確認した団員達は驚きを隠せなかった。
映像には、触手を唸らせながら先遣調査団を嬲る全長3mにも及ぶ異形の存在が映っていた。映像データは直ちに本国へと転送され、調査の一時中止を進言しようとした団員達に一本の通知が届く。
地上からの救援要請。
団員達は船体外部に取り付けられてる外部カメラから地上を観測すると、映像で見た触手の化け物数十体が地上を跋扈しており、地上に残された団員達は為すすべがなかった。
だが、助けるすべを持たない宇宙の団員たちにとっては彼らの様子を観測し、データを本国へと転送するしかなかった。
ふと触手の化け物がこちらを見上げた。果たして目があるのかどうかも怪しいそれは触手を一つに纏め光を放つと映像は途切れた。
これが人類とガイジュのファーストコンタクトである。
東暦4211年
当時、ガイジュⅡを領有していたフォーマルハウト共和国は一連の事件をガイジュⅡの原生生物が原因と判断していた。つまり、この当時彼らはガイジュに惑星間航行技術がないと判断してしまった。
東暦4213年
他の惑星や、ガイジュⅡ付近を航行する船舶への被害が相次ぐようになった。
この時人類はガイジュに惑星間航行技術があることを知った。
そして、彼らはガイジュ発祥の生物ではなく人類生存領域外から来ていることも確認されたのだ。
東暦4219年
フォーマルハウト共和国とガイジュとの戦闘は拮抗していた。地上に降下されたら厄介だが宇宙空間の戦闘においては軍艦を並べ面制圧を行うことで容易に撃退できていた。だが、2度に渡るガイジュⅡへの降下作戦は失敗に終わっている。
東暦4221年
ガイジュに変化が見られた。新種が見られるようになったのだ。通常の3mクラスに倍以上の10mクラス。さらにそれをも上回る宇宙用の50mクラスなどガイジュの進化が見受けられた。そして、ガイジュの攻撃は苛烈さを増すこととなる。
東暦4224年
フォーマルハウト共和国は首都が壊滅し、周辺国家はガイジュへの連合軍を組織することとなる。
程なくしてフォーマルハウト共和国の名は歴史に名を残すのみとなった。
東暦4225年
ガイジュとの長きにわたる戦闘で、ガイジュにはコアと呼べるものがそれぞれ備わっており、それを破壊することで生命活動を停止することがわかった。
通常の3mクラスであれば1個。
大型と分類される10mクラスであれば3個。
超大型と称される50mクラスには10個存在することが分かった。
ガイジュのコアは数に応じてシールドが強固になるという特性も判明した。
東暦4227年
結集した人類連合軍はガイジュからいくつかの惑星の奪還に成功した。
その際、ガイジュの巣から新たな金属である『オリハルコン』が発見された。
このオリハルコンにはガイジュのシールドを貫通するという特性があることを発見したが、いまだ人工的に生成することはできていない。
東暦4228年
拮抗していた人類連合ではあったが、ガイジュの新型の出現で状況は一変する。
全長2m前後の人型個体はその小ささとは裏腹に全身がコアで出来た特殊な個体だった。その小ささから素早く、艦砲による砲撃も当たらず人類連合は次々と敗走を重ねた。
東暦4230年
人類生存領域の約半分を失った人類連合ではあったが、起死回生の一手とし『エインヘリヤル研究所』の強化人間と希少なオリハルコンを使ったソードを実戦に投入した。
この戦いは『テルミヌスの奇跡』と呼ばれ、人類に一筋の希望をもたらした。
そして奇跡の立役者の彼らは星騎士と呼ばれることとなった。
東暦4246年
そして人類とガイジュの戦いはいまだ続いていた。
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