僕と風俗嬢!⑤

崔 梨遙(再)

1話完結:900字

 風俗でお気に入りの女性を見つけても、それぞれの事情で去って行く。僕は、また贔屓にする女性を見つけなければならなかった。そして見つけた。千夏。とにかく大美人で、とにかくスタイルも良かった。元モデルらしい。


 大体、2時間コースで指名していた。プレイも勿論楽しいのだが、恋人気分を味わいたくて、プレイ無しでランチという日もあった。千夏の美しさは半端じゃない、美人の中でもかなり上位にランキングされるだろう。僕は美人とも付き合ってきた。だが、並の美人ではないのだ。一緒に街を歩けば、男共が振り返るくらいの美人だった。正直、僕は千夏と一緒にいるとちょっと緊張していたのだ。



 或る日のこと。


「なあ、崔君」

「何?」

「私、もう崔君と会われへんわ」

「なんで?」

「もう、風俗をやめられるようになったから」

「ああ、もう荒稼ぎしなくてよくなったんやね。良かったやんか、おめでとう」

「崔君にはお世話になったから、最後にお礼をするわ」

「何してくれるの?」

「デートしよう!」

「マジ! ええの? やったー!」



 どこに行くか迷ったが、テーマパークに行くことにした。テーマパークはいい。アトラクションが千夏を笑顔にしてくれる。


 そしてレストランで夕食。店を出て僕が言った。


「今日は何時までデートできるん?」

「朝まで」



 朝、ホテルを出た。とうとうお別れだ。


「千夏と付き合いたかったんやけどなぁ」

「私が風俗やってたことを知っている人とは縁を切りたい」

「そういえば、僕の最初の彼女が風俗嬢やったんやけど」

「やけど?」

「偶然、街でバッタリ会ったらまた付き合おうって約束したことがあるねん」

「ほな、街でバッタリ会ったら付き合おうか?」

「うん、その時はよろしく」



 そんなに都合良くバッタリ会うなんてありえない。僕は2度と会えないと思った。



 でも……


 ……もしかしたら……




「久しぶり! 崔君、元気?」



 街でバッタリ再会した千夏の左手の薬指の指輪が光っていた。再会するのが少し遅かったらしい。落ち込んだけれど、僕は笑顔で言った。



「久しぶり! 幸せそうやね! 良かったわ!」







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