音と声

@TOU-20dog

プロローグ

私にとって、歌は水で声は鎖だった。


人の体の半分以上を水が占めているのだ、と理科の授業で習った。

水は人にとってなくてはならない存在。

それと同じように私にとって歌はなくてはならないものだ。

のどが乾いたら水を飲むかのように、心が乾いたら歌を飲んだ。


友達と比べて幼い声、

授業で発表するとき、クラスの子から揶揄われた。

友達と比べて、高い身長、

男子からは「あいつよりあの子のほうがかわいい。」と後ろで言われた。



いつの間にか、私は私という存在が嫌いになった。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る