【結婚四年目】 ハワイっ!!(一応傷心旅行)

沙織「うわあ!ハワイだ~!」

「おっとサオ!オアフ島はまだ道半ばだ。俺たちの目的地はハワイ島だっ!!」

(サービス画像(笑))

https://kakuyomu.jp/users/kansou001/news/16818093079992002579


※このハワイは1990年代のハワイです。決して今のハワイを思い描いてはいけません!

五月「仕事なんか辞めちゃえば良いんだよ。お兄もお義姉さんも」

何でもないことのように…五月が笑って言う。

しばらくはあたしと正太郎が何とでも協力するから…と。

五月「外国でも回ってきなよ!二人でさっ!」

沙織が流産してしまった。

暑気払いという名前の遅すぎる歓迎会。身重の沙織は三次会まで付き合わされたという。

そんなに沙織を酔わせて、何をしたかったのか。

沙織は俺の前以外では酔わない。

だけど…その無茶振りは確実に…沙織の身体を蝕んだんだ。



ショックで東京の自宅の寝室から出られなくなった沙織。会社からの心無い電話が沙織をさらに傷付ける。

…だから沙織に言ったんだ。

「ハワイ行こうぜ!!」とねっ!

レンタカーは最高級のMUSTANG。向かっているところはABCマート。

疲れ切った俺たち。


沙織「初日から…なんて目まぐるしいの…」

「まあ…うちの旅行っぽいじゃん」

沙織「それを言ったら…おしまいだよ…」




空港で用意して貰った本来のレンタカーは、フォードのモンデオだった…まあ普通の乗用車だ。

ホテルのチェックインまでに少々時間があると…空港そばの国立歴史公園に寄ったのが運のつきだった。


公園から戻った俺たちが目にしたのは…後部座席のガラスが割られたレンタカー。

後部座席に置いていた荷物は…根こそぎ無くなりました(涙)。



警官「キャンユースピークイングリッシュ?」

「…ノー、キャンユースピークジャパニーズ?」

警官「…ノー」

公園の窃盗現場に立ち尽くす俺。

どうしてこうなった!



チェックイン予定だったホテルにあわてて車を入れてフロントの通訳席に向かった俺たち。

通訳の女性はとっても親身に対応してくれて、警官さんもすぐに来てくれて、

通訳「では私が奥様と一緒にホテルで警察の事情聴取を進めます。ご安心ください私が完璧にフォローしますから。旦那さんはこちらの警官さんと現場検証を終わらせてくださいね!」


…ちょっと待ってください!うちの嫁、英語はペラペラなんです。どちらかと言うとフォローが必要なのは俺…

通訳「何をぐずぐず!早く行ってください!」

「……」



「…サオ、現場検証って、愛想笑いしてれば終わるんだな…」

沙織「あはは!」



その後、レンタカー基地ではひどく同情を買った俺たちには最高級レンタカーが料金据え置きにて貸し与えられた。

そして…貴重品を除いて、衣類などが全て無くなった俺たちは…生活品の調達だけで貴重なハワイ旅行の半日を潰す羽目になったとさ。

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