清士と志士
桜田 優鈴
序
いつもと変わらぬ日常。
シャン……。
シャン………。
今日も何処かより響く鈴の音。
―――死の奏でる音色は、切なく……甘く。
シャン…。
シャン……。
微かな余韻をこの耳にのみ残して、消え去る。
決して触れることの許されない地への旅立ち。
私たちだけにしか聴くことのできない旋律だから。
確と聞き届けよう。
最期の音を。
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