俳句4句【第2回カクヨム俳句コンテスト用】
久里 琳
たれもかも口とぢよただ花散る間
たれもかも
春の句です。
花見る人らはそこらじゅう陽気にさわいで、花の木の下は酔客であふれる。それはそれで花の娯しみ方にちがいないが、ただしずかに眺めていたい人も中にはいるだろう。
殊に、風に散り落ちる花びらを見るときは。
花びらが潔く散って地に着くまでのあいだだけはせめて、花の最期を神聖なものとしたい――そう願ったとして、それは笑うべき感傷だろうか。
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