受け止める腕の細さに驚きて泣く場所をなくしたことを知る
受け止める腕の細さに驚きて
泣く場所をなくしたことを知る
諦めるのは甘美な誘惑
労苦、叱咤、責任から解放される
悪魔は囁く
お前がやらなくたって
誰かがやるさ
僕はいつも悪魔の手を取った
母はそんな中途半端な僕に
しょうがない子だねと力強く抱きしめた
明日があるさ
そう甘えていたんだ
お店を始めたのは三十代半ばだった
順調だった売上も底を打ち
赤く染まるのも時間の問題だった
悪魔は既に窓から顔を覗かせている
母はしょうがない子だねと抱きしめる
かつての力強さはない
こんなに細かったんだ
今更ながらに気づく
もうちょっと頑張ってみるよ
悪魔は顔をしかめる
母は笑顔になる
頑張んな明日はお前の味方だ
力強く尻を叩たかれた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます