海風のさざめく波を透し一喉の巨影瞬きを呑む


海風のさざめく波を透し

一喉いっこうの巨影

瞬きを呑む



海面は風が撫でたようにさざめいている

海水の透明度は高い

近場の海藻帯を抜けた先の砂地が

エメラルド色に透けて見える

右手の方向に黒い影がある

飛び地の海藻帯かなと思ったら

すーと左に移動した

大きい

初めて見る巨影

瞬きを忘れた初春はつはるの朝


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