第四話 お水でも、どないです?
「アホんだら! 50分には帰って
12時10分くらいに戻ってきたウチは、
けど 悪い事が有ったら、エェ事も有るもんやわ。今 ウチの右前には、カワイイ狐が
見た目は完全にホンドギツネ。まだ若そうやな。体が小ちゃめ やし、目が丸い。狐は成長する
ちなみに巷では、〈伏見稲荷大社の狐は白い〉、言われとる。〈
てっきり目つき悪い大人の狐が来る思てたけど、これは意外やったなぁ。思わずニヤついてまうやんか。
「何 ニヤついとんねん! 反省しとらんのか!」
「・・・反省してますぅ」
ウチは涙目になって、か細い声 出した。
──アカン、アカン。今 ウチは怒られとるんや、気ぃ付けな。・・・あれ? 今 ウチは床に正座、
なんや納得いかんけど、とりあえず黙って
ウチへの説教 終えた
「・・・
「ちょっ、ちょっと待ちぃな!」
ウチは挙手して
「まずは
「ん? あ~、まぁ、そやな」
ウチはルンルン気分で食器棚から ちょい深さのある皿 出して、水道水 入れた。そんでそれを狐の目の前のテーブルに置いたった。
「はい、狐。遠いトコ
ウチの優しい気遣いに驚いたんか、狐の視線はウチの顔と皿とを行ったり来たり。
──なんやの それ。メチャメチャ カワイイやん!
「・・・おい、
「狐なんやから、これでエェやろ? コップ 入れても飲まれへんやんか」
「まぁ、そやけど・・・」
いまいち納得してへんようやけど、可愛くない鬼は
「ほらほら、飲みぃな」
ウチは狐に執拗に水を勧める。
「・・・じゃあ、はい。頂きます」
狐が喋った、そんでウチは驚いた。
狐が人間の言葉
ウチが驚いたんは、標準語を喋った事や。伏見の狐は関西弁を喋る、ウチと
「アンタ、生まれは どこやの?」
水 飲む為に体 起こして、右の前足だけテーブルに乗せとった狐。不意に話し掛けられたせいで、そのまんまの体勢で止まりよった。左の前足は宙に浮いてて、顔をウチに向けとる。
──なんやの これ! カワイイやん!
「僕は、生まれも育ちも伏見です」
その一言に、ウチは
「・・・え? え? えぇっ!? 伏見 生まれ!? ほな なんで、標準語なん!?」
「関西弁は、ちょっと・・・ どうかと思いまして・・・」
──・・・なんやコイツ、関西弁の何がアカンねん。
目
──コイツはアカン、裏切り
ウチの心は急激に冷めてしもた。けど その後、ウチは天にも昇るような気分になる事に。
狐が左の前足もテーブル
──あぁ、カワイイ・・・。もう、標準語とか どうでもエェわ。
そっから少しの間、非情な鬼に傷つけられとったウチの心は、狐によって癒された。
はい、今回はここまで。
・・・ん? 〈今回は水道水だけ なんか?〉とか思てる? 京都市の水道水は、隠れた名物なんやで? 自動販売機で売ってるくらいやからね。まぁ、よその水道水と比べて どんくらいのモンなんかは分からんけど。
正直 ウチは
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