ファイル名「20180601記事、今日は倉庫の消毒についてお話しします!.docx」
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「こんにちは
今回は、美術館のお仕事についてお話しします!
みなさん燻蒸という言葉をご存知ですか?あまり聞き馴染みのない方も多いと思います。美術館には収蔵庫という倉庫みたいなものがあって、そこに美術品を保管しています。美術品は、紙や布、絵の具には油などが使われていることもあり、虫が湧いてしまうことがあります。そこで、倉庫全体に薬剤を撒いて殺菌する必要があるのです。梅雨時期の虫やカビが大量に発生しはじめる時期や、長期休館の時期に合わせて作業を行います。虫の成虫だけでなく卵やサナギ、ほかには美術品につくカビにも効く薬剤を使用し、それらを退治します。燻蒸作業は、害虫やカビなどの微生物を排除し、美術品の保存状態を保つために不可欠な作業です。
さて、今回は美術館の収蔵庫を燻蒸する作業に参加することになりましたので、もう少し細かい部分についても書いていきたいと思います。
私の勤めている美術館の燻蒸処理のやり方について説明します。まず業者さんと綿密な打ち合わせを行い、燻蒸の計画を立てます。燻蒸処理は作品を保管した状態で行われるため、作品を傷めないようにどのような化学薬品を使用するか、すべての収蔵品に効果が出るように、どのようなルートで薬品を拡散させていくか、繰り返し打ち合わせを行います。
次に、私の美術館では燻蒸作業を行う前に、祈祷師を呼んでお祈りを行うことになっています。地域のお寺などから預かった品もあるため、作業前に形式的に行なっています。美術品の保存や安全を確保するための科学的な方法に基づいた処理とは別に、収蔵品の持つ宗教的な背景や歴史も考慮してこのような作業をしているそうです。
それから、実際に収蔵庫の中に機械を入れ、燻蒸処理が始めます。燻蒸処理の前には、事前に打ち合わせた計画に基づいて作品を保護するための措置がとられ、作品によっては密閉された袋やシートで覆われたり、金属製の美術品や大型の彫刻などは専用のポリ袋やシートで覆われることもあります。薬剤が倉庫に散布されると、数日にわたって倉庫内は立ち入り禁止になります。燻蒸に使用される化学薬品には特有の臭いがあり、作業が終了した後も倉庫に立ち入るとしばらくは特有の匂いがします。
以上のように、燻蒸作業は美術品の保存に欠かせない重要な作業です!
これからも、皆さんの知らない美術館の裏側を伝えていきたいと思います!
2018年6月1日」
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