子猫を助けたら俺んちが1年生美少女ツートップの溜まり場になった。

マナシロカナタ✨2巻発売✨子犬を助けた~

俺と子猫と1年生美少女ツートップ

第1話 天野陽菜(あまの・ひな)と木陰美月(こかげ・みつき)

 この春、俺――中野拓海(なかの・たくみ)が入学した白陵台高校には、入学早々に1年生美少女ツートップと呼ばれるようになったキラキラ美少女たちがいる。


 天野陽菜(あまの・ひな)と木陰美月(こかげ・みつき)。


 2人は俺のクラスメイトだ。


「え、そうなの? なにそれヤバッ!」


 始業ホームルーム待ちの朝のアイドリングタイム。


 数人のキラキラ女子たちのグループで一際、明るい声を響かせているのが天野さん。

 明るい性格の、いわゆるギャル系美少女だ。


 色を抜いて茶色くしたゆるふわな髪を肩まで伸ばし(ふわふわボブと言っているのを聞いた)、小さいサイドポニーが片方だけアンシンメトリーにピョコンと出ているのがオシャレ可愛い。


 制服は着崩し気味に着ていて、今もブレザーは前のボタンを全部開けているし、ブラウスのボタンも2つ目まで外されている。

 胸元のリボンタイも少し緩めだが、不思議とだらしなさは感じない。


 スカートは学年で1番短いと思う。

 廊下や階段でヒラヒラするたびについ目で追ってしまう男子は、俺だけじゃないだろう。


 今日みたいな肌寒い日は、そんな格好だと寒いんじゃないだろうか?


 敢えてそういうファッションをしているんだろうに、ついつい余計な心配をしてしまう。

(1年生美少女ツートップさんも、俺なんかに心配されても大きなお世話だろう)



 そんな天野さんとは対照的に、もう一人の1年生美少女ツートップの木陰さんは、背中の真ん中くらいまである黒髪ロングが印象的な清楚系美少女だ。


 男子が少し苦手らしく、会話に男子が混ざると見るからに口数が減ってしまう。


 制服のブラウスは一番上までボタンを留め、青色のベストを着込んで防寒対策はバッチリ。

 リボンタイは首元できっちり結んで、ブレザーのボタンもしっかり全部留めている。


 だがその下に隠されているものが、同世代の平均をはるかに凌駕する実り多きたわわであることは、既に男子の間では噂になっていた。


 俺は言ってはいないが、どうしても聞こえてくる。

(いやまぁその? 俺もまったく気にならないと言えば、嘘になるのだが……)


「うん、うん。へえ、そうなんだ~。面白そうだし、わたしも見てみようかな~」


 木陰さんはキラキラ女子グループでは聞き役で、自分から話題を振ることはあまりなく、いつもニコニコと微笑みながら、キラキラメンバーたちの話に相槌を打っていた。


 見るからに正反対の2人なのだが、幼馴染みらしく2人は一緒にいることが多かった。


 と、木陰さんがふと教室の隅の方――俺の席がある辺りを見た。


 なんとはなしにキラキラグループを眺めていた俺と、木陰さんの視線がバッチリ合う。


 すると木陰さんは、軽く握って腰の辺りに置いていた左手を一瞬だけ小さく開くと、アピールするように俺に向かって手の平を見せた。


 俺も同じように一瞬だけ小さく手を開いて返すと、木陰さんはわずかに笑みを深めながら、再びキラキラ女子グループの会話へと戻っていった。


 ふぅ。

 軽く手を開いただけなのに、緊張したぁ……!

 本当に一瞬だったので多分、教室の誰にも気づかれてないはず。


「美月、なにかあった?」

 いや、天野さんだけは木陰さんの動きに気づいたようだ。


 一瞬だったのに鋭い。

 さすがキラキラな幼馴染だ。


「え、な、なにが?」

「今、廊下の方に手を振ったよね? 友達でもいたの?」


「そ、そんなことしてないよ?」

「え、そう?」


「そ、そうだよぉ。気のせいだよぉ。も、もう変な陽菜ちゃんだな~」


 言いながら木陰さんが焦った様子で俺を見る。

 釣られるように天野さんが俺を見た──時には俺はもうキラキラグループからは視線を外して、素知らぬ方向を見つめていた。


 ギリギリセーフ。

 いや、別にそんなことをしないといけない理由はないんだけれど、女の子と秘密のやり取りをしていたことを別の人に知られるのは、なんかその、気恥ずかしい。


「ふーん?」

「な、なに……?」


「別に~?」

「えと、あの、それよりも、さっきの話なんだけどね──」


 珍しく木陰さんから話題を振った。

 露骨に話を変えたのが丸わかりだったけれど、そこは身も心も麗しきキラキラ美少女グループ。

 再び楽しそうに話を再開する。


 そんな入学して早々に話題をさらい、1年生の美少女ツートップなんて呼ばれている2人と。

 教室の隅っこでスマホ片手に平凡に生きるモブAの俺。


 生きるステージが違い過ぎる俺たちの高校生活が交わることは、きっとないだろうと漠然と思っていたのだが――。


 ほんのちょっとした偶然から、俺と2人の矢印は交差することになった。

 それが何かというと――。



――――――――


お読みいただきありがとうございます(*'ω'*)b


初心に帰って高校生ラブコメです。

きゅんきゅん来るような可愛いヒロインを描ければと思います!


気に入ってもらえたら、

ぜひお気に入り登録&☆☆☆をお願いいたします!(ぺこーら


執筆の励みになりますので、なにとぞ~(*'ω'*)

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