第36話 運命を教えてくれるひと



私の名前はリーン・バルガス 14歳


大人になった 転生者だ


今日はカテナとのお茶会 じつに久しぶりだ


もうすぐ私たちも成人する


カテナとジョウは成人したら結婚する つまり王太子さまの結婚 つまり国家行事だ


本当ならお茶会なんかしてる暇なんかないらしいんだけど


息抜きが欲しいらしい(笑)


「リーン いちおう先輩だしちょっと教えて欲しいだけどーー」


そこでカテナが赤くなり恥ずかしそうに ピンときた(笑)


「くく なんでも教えてやるよ なにせ私はもう2児の母 


すべてを知ってる女なんだから(笑)」


カテナがさらに赤くなりながら口を開く


「じゃあそのね やっぱり いいわ」


「このヘタレが  でもカテナはまだ お子ちゃまだし 


しょうがないわね 私は大人の女だし 許してあげる」


カテナがあきれた表情を浮かべる


「なにが大人よ あんた子供も生んでるのに まったく かわってないじゃない」


失礼な奴だな


「なにいってるのよ 身長ものびたし 胸も大きくなったし 


あともうちょっとで不二子ちゃんみたいになるんだから」


溜息をつくカテナ


「なにが不二子ちゃんよ 身長はともかく胸は出産してる間は大きかったけど 


もう元に戻ってるじゃない」


ぐぬぬ 真実がいたい


「まあ それはともかくとして あんたが私より先に結婚したのは 


ほんとにびっくりしたわね」


「うーーん 結婚といっても ほんと跡継ぎを作るためだし 


なんか旦那や子供にちょっと悪い気がしてるのよね」


カテナが真剣な顔になる


「あら貴族同士の結婚なんてそんなものなんじゃない?」


「旦那はいい人だし子供たちは可愛いし、でも私の運命じゃないんだよね」


カテナは黙って話のつずきを待ってるようだ


「結婚して子供を産めば 私も落ち着いて騎士団に入ることを辞めるかもしれないと」


「お父様もお母様も思ってたみたい


もしかしたら私も気持ちが変わるかもしれないと 少しおもってた」


「子供を産んでも誕生の喜びよりも、跡継ぎを産めたことの安心感のほうが大きかった」


「妻としても母としても なんかちがくってね(笑)」


カテナも少し考え口を開く


「さっきも言ったけど 上流貴族の結婚なんてほぼ100%政略結婚だし」


「結婚したら跡継ぎを産むことを一番に求められるわ」


「ほとんどの貴族の夫人があなと同じような事思ってるんじゃないかしら?」


「それに 私だってジョウと愛し合ってるから結婚するわけじゃないしね」


え それは意外ね


「え そうなの? 二人は好き合ってるんだと 思ってたんだけど?」


カテナが苦笑しながら


「ジョウは友達よ 向こうがほんとはどう思ってるかわからないけどね」


「結婚する理由は家同士の決定だからよ すくなくとも私はね」


ほんと意外だ 初めて聞いた


「そんなこと初めてきいた ちょっとおどろいたわね」


「だって あなた ガールズトークとか まったくしないじゃない」


「いつも 先生か騎士団か転生特典がどうのとか そんな話ばっかりじゃない(笑)」


たしかにそうだった(笑)


「その先生っていえば結局騎士団に残らないんでしょう?」


そう先生は気に食わないことに騎士団を辞めて田舎に帰ってしまった


「それでも騎士団に入るの?」


「うん わたしの気持ちに変わりはないよ」


カテナはちょと納得いかないみたいだ


「意地になってない?」


「ちがうよ 確かに先生がいないのは残念だけど だけどいいんだ」


「先生は わたしの運命を教えてくれる人なんだ」


「運命を教えてくれる人?」


「そう 先生はいろいろ教えてくれた、 魔法、剣、そして私の運命」


「運命?」


「うんカテナやジョウの事を 私に教えてくれたのは先生だった」


「二人に会えるようにしてくれたのも先生だった」


「私が騎士団に興味をもったのも先生に憧れたから」


「私が騎士団と家の事情でなやんでるときに先生がきて私に決断させてくれた」


「先生は私の運命を教えてくれるだから きっとまた会える」


なんかみょうに真面目な話をしてしまった


「ごめんね 堅苦しい話ばかりで 息抜きにきてるのに」


カテナがわらってる


「ううん いいのよ今日は 面白い話が聞けて楽しかったわ」


まあ それならいいか(笑)



そう先生にはきっとまた会える


そのときに どんな運命を教えてくれるんだろう


新しい出会いだろうか?


ちがう生き方だろうか?


わからないが再会を楽しみにしておこう 

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