異世界ガチャでハズレ勇者!?言葉通じないのはサービス不足!

bookmax

第1話 勇者召喚?



 (きたーーーーーーーついに僕にも待ち望んでいた時が

 

 そうだ勇者召喚の時が・・・・・・・)




 いつもと変わらない、学校帰りの電車の中

 この男、佐々木慎太郎(シンタロウ)17歳 身長162CM

 成績は中の下はいつもどおりに、スマフォゲームに興じていた


 (よしユニーク来い・・・・・なんだよ、もうお前はいらないんだよ

 5人も集まりやがって、戦隊でも作るつもりかよ)


 日課のガチャ・・そしていつも通りの結果にシンタロウは

 運営に対するヘイトを上げていた


 (クソ意地でも課金はしないからな)


 どうでもいい事だが、ゲーマの意地なのか?・・いやたんにお金がないのか?

 まあ、心底どうでもいい事をシンタロウが考えていた時

 ・・・・そうその時・・・すべてが始まった・・・・


 (え?俺・・電車に乗っていたよね・・いつ降りたの?

 てか・・ここ何処?・・・この目の前の外人女性はだれ?)


 シンタロウは混乱していてまだ気づいていないが、眼の前にいるのは

 女性だけではなく、男も一人・・・そしてシンタロウをの周りを囲むように

 男たちが8人、シンタロウの様子を見ていた


 混乱しキョロキョロと周りを見るだけで、言葉も出せないシンタロウに

 目の前の女性がカタコトの日本語で語り掛けてくる


「よう、、こそ、、ゆうしゃ、、さま、、この、せかいに

 かんげ、、い、いたします」


 混乱している上にカタコトすぎて、シンタロウには、伝わらなかったのか

 ポカンとした表情を見せている、女性は自分の言葉が


 ちゃんと伝わって、いないのだろうと思い

 同じ言葉を、2回3回と繰り返す



 (え?・・・勇者?・・・この世界?・・・)


 女性の言ってる言葉がシンタロウに、ようやく伝わり始める

 その事実に、シンタロウの心は震え始める


 (きたーーーーついに僕にも)


 それは冒頭でも聞いたので、とばしましょうか

 シンタロウは、目の前の女性を観察しながら

 ちょっと失礼な感想を持ち始める


 (テンプレだと、この人はお姫様か聖女でヒロイン枠なんだけど

 ちょっと年を取り過ぎなんじゃ?・・・)


 本当に失礼な事を考えているが、彼女の名前は、マクリム 32歳

 上品な顔立ち、148cmの小柄な体に、少し肉付きが良く


 茶髪に青い目をした、魅力的なご婦人で

 関係ないが、二児の母親でもある


 彼女はようやくシンタロウに言葉が伝わった事がわかり

 安心すると、次に伝えるべき事をメモを見ながら

 また繰り返し始める


「ゆう・・しゃさま・・どうか・・わるい・・ゆうしゃ・・たおして」


 マクリムの言葉が今度は最初から理解できたシンタロウは

 そのゲーム脳で考え始める・・・


 (悪い勇者・・・そうかそのパターンできたか

 いやこの女性が僕を騙してる可能性も捨てきれないな

 なにせ彼女はヒロインじゃないだろうしな)


 なんでヒロインじゃないと、騙してるのかその理由は理解できないが

 シンタロウは、彼女に喋りかけることにする


「あの話は解りました・・・ここは何処なんでしょうか?

 貴女のお名前は?

 あ、すいません僕の名前は佐々木慎太郎です」


 マクリムにはシンタロウの話す言葉が早く、まったく理解できなかった

 困ったような顔を見せると、手を上下に振り

 ゆっくり喋ってくれとジェスチャーをしてみせる


「あ」


 そのマクリムのジェスチャーに気付き


「すいません・・・シンタロウ」自分の顔を指さすと


「シンタロウ」「シンタロウ」「シンタロウ」


 そう3回ほど繰り返す、マムリムにもシンタロウの意志が伝わり

 同じように自分の顔を指さすと「マクリム」自分の名前をシンタロウに伝える


 (マクリムさんか・・それにして、なんだよサービス悪いな

 なんで言葉が通じないんだよ・・普通ならなんか会話できるはずなのに


 勇者召喚のテンプレなんだから、もっとサクサク話が進むように

 してもらわないと・・・そうだまずは自分のステータスを確認しとかないとな)


「ステータス」「ステータスオープン」「プロパティ」「プロパティオープン」


 (あれ?なんでステータス画面が開かないの?)


 突然のシンタロウの奇行にマクリムは、困惑すると

 シンタロウの目を見つめる


「ゆうしゃさま?」

   

 マクリムの困惑した表情にシンタロウも気づき

 愛想笑いをうかべ誤魔化そうとする


 (まだチュートリアルの途中なんだろうし、もう少し様子をみよう)


 そんなシンタロウの態度をどうとったのか、マクリムは頷くと

 シンタロウの手を取り、移動を促してくる


 シンタロウも指示どおりに移動しようとするが、そこで初めて

 マクリムの隣にいる男と自分を囲むように位置する男たちに気付く

 

 そんなシンタロウの視線にマクリムが答えてくれる

 隣に立つ男を指さし「サイラス」

 周りにいる男たちを差し「ガード」


 (隣にいる人はサイラスさん・・・それは解ったけど

 周りにいる人たちは・・・ガードってそれは護衛とかって事かな?

 ・・・・やっぱりまだ信用しないほうがよさそうだ)


 とりあえずシンタロウは、サイラスとガード達にお辞儀をして

 おくことにする、マクリムは再びシンタロウの手を引く


 ちなみにサイラスはマクリムの夫、つまり二人は夫婦である

 サイラスの歳は36歳 身長168cm 茶髪、青い目

 中肉中背、とくに特徴もなく顔も平凡といっていいのだろう


 (ああ、そうかどこかに連れていきたいんだ、どこだろう

 さっきステータス画面が出なかったし、テンプレだと


 オーブか何かでステータス画面の確認とかするのかな?

 そうそう、スキルもどんなのがあるのか確認しないとな)


 そんなゲーム脳丸出しの事をシンタロウが考えていると

 マクリム着いたとジェスチャする


 シンタロウの想像とは違い、そこは食事の用意されている

 部屋だった、シンタロウは拍子抜けしたが


 まずは、歓迎の意志を伝えてくれているんだろうと

 気を持ち直す、ゲーム脳のシンタロウでも

 こんな時にはお礼を言うものだとは、さすがに解るようで


「ありがとうございます」そう言い、マクリムの指差してくれた席に着く


 (テンポ悪いけど、物には順序ってものがあるんだろうし

 せっかく出してくれてるんだ、食べないと悪いよな)


 だが、シンタロウにとって残念な事に、その後の食事では

 日本語の辞典と思われる本を片手の、マクリム、サイラス


 がカタコトの日本語で、なんとかコミュニケーションを取ろうと

 努力をしてる事、以外なにも起こらないまま2日の時が過ぎた


 (えーーーと・・僕はどうすればいいんだ?・・・

 ハッキリ言って本当にカタコトすぎてまったく意志が伝わらないし


 相変らずステータス画面の開き方も、スキルも解らない

 解ったのは・・・すごい怪力になっていることくらい


 勇者特典の一つだとは思うんだけど

 魔法とかもある、みたいなんだけど


 本当に言葉が通じないのって・・サービス悪すぎだろ

 もうチュートリアルは、十分なんで早く初めて欲しいんだけどな)


 そんなシンタロウの願いを誰かが、聞いてくれたのか?

 シンタロウの頭に、女の物と思われる声が響き渡る


{ステータス画面、スキル、それは何の話なんだい?}


 (え?・・・あの・・・気のせいじゃないよな?)


{勿論、気のせいじゃない、君に話しかけているんだよ、シンタロウ君}


 突然の呼びかけにシンタロウは混乱しつつも

 ついに来るべき者が来たと歓喜した


 (よし、きたーー、大賢者だよな?・・・これから頼むぞ)


 シンタロウのゲーム脳丸出しの発言に、驚いているのか

 なんの反応も来ない事にシンタロウが慌てて


 (あの・・・もしもし?)


{いやすまない・・申し訳ないのだが、その大賢者とは何のことなのか?}


 (えーーと僕に、イロイロな事を教えてくれる、

 ナビゲータみたいな物なんだけど違ったのか?)


{その・・・まあ・・・確かにそのような、ものかな?}


 (やっぱり・・・そのこの世界では何て呼ばれているんだ?

 大賢者じゃないみたいだけど)


{そうだね・・・・大賢者で構わないよ・・そう呼んでくれ}


 (よし・・大賢者、これから頼むぞ・・・それで早速だけど、、

 ステータス画面の開き方と、僕の使えるスキルを教えてくれないか?)



{すまないんだが、君の聞きたいことが良くわからない?

 ステータス画面とは?・・・スキルとは?}


 (あの・・・もしかしてこの世界にはレベルとかないのか?)


{重ね重ね、すまないが、私の知ってる世界、少なくとも日本には

そんなものは存在しなかったと記憶しているが?}


 大賢者の言葉にシンタロウは愕然とし続けざまに、大賢者に問いかける


 (じゃあ、スキルもないのか?、魔法は?)


{魔法は確かにこの世界には存在しているけど、君が使えるようになるかどうか

 ちょっと解らないね・・・

 

 あとさっきも言っていたけど、スキルと言うのは

 料理が上手いとか、大工仕事が上手いとかのスキルの事かね?}


 シンタロウは大賢者の言葉に、落胆はしたが、気を取り直すことにした


 (かなり想像と違ったけど、大賢者が発動したし、ようやく

 僕の異世界生活が始まった、ようやく僕が本気を出す時がきたみたいだ)

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