第179話 vsガブリエル決着

「《天使の羽衣》もう状態異常は効かないの……!」


なにやら天使固有のスキルを使って状態異常を防ぐみたい、しかしあのガブリエル時間が経つにつれてどんどん見た目が悪魔っぽくなっているんだよね。


もう天使じゃなくて完全に天魔だね。


「ん、パラ?どうしたの?」


なんかパラが私に何かを訴えかけてこようと目の前で跳ねていた。


「ふむふむ……え、あれ奪ったの?!ということはあのスキルは私のスキルで無効化したんじゃなくて不発だったってことかー」

「いや、このキノコが何言ってるか分かるの?!」

「そりゃ、もちろん分かるけど……逆に分からないの?」

「分かるわけ無いじゃん!ただ跳ねてるだけだよ?!」


こんなに分かりやすく跳ねて訴えてきているのに分からないものなんだね。


とにかくパラの作戦が上手く決まればガブリエルを倒すことが出来る。


「あとはリトライがもう使えないのかまだ使えるのか分かれば……」


前借りを物真似されてなければもう無いはずなんだけどどうだろう?


アスタロト様に聞けば分かるかな?


「アスタロト様ー!前借りって物真似されちゃった?」

「前借りですか?それならわたくしとの戦闘で既に使用済みですので大丈夫だと思います」


よし、前借りを使った後ならガブリエルはもうリトライは使えないね!


「よそ見とは余裕じゃな!」

「MPの回復はさせませんよ?」


あっちはあっちで熱い戦いをしているっぽいね。


「隙あり……なの」

「残念、わざとだよ!」


ガブリエルが私の様子を伺っているのが見えていたからわざと隙だらけで話をしていたらちゃんとガブリエルが攻撃してきた。


「最後の戦いを始めよう……!《リミッター解除》」


攻撃してきたガブリエルの腕を掴みリミッター解除で上げたステータスで無理やりへし折る。


「うぐ……《ロード》」


すぐにロードで折れた腕を治してしまう。


「パラ!さっきの作戦で行くよ!ちょっと痛いかもだけど耐えてよね?もちろんパラなら耐えるよね?」


目の前にいたパラを思いっきり踏みつける。


流石の鉄壁なパラでも今の私のステータスでは辛いようでゴリゴリっとHPが削れた……というかHP1で耐えた。


仲間同士だとフレンドリーファイアで死なない仕様だったね、ん?それって普通だったら一撃でパラが死んでたってこと?!危なかった……。


「いや、何やってるの?!それが作戦?!」


隣にいたスノーピンクが驚いている、そういえばパラが訴えていたこと分からなかったんだっけ?作戦が分からなければそりゃ驚くか。


「いってらっしゃーい!」


私は瀕死のパラを掴んでガブリエルに向かって思いっきり投げた。


「……?ボロボロの仲間を投げるなんてまさに悪魔なの」


投げられたパラをペシっと弾く、そしてパラのHPが無くなる。


『パラが倒されました』

『24時間の休眠状態に入ります』


「いや、キノコ死んだよ?」

「うん、それが作戦」

「はい……?」


これがパラが言っていた作戦の全て。


「……な、あ、あ――」


パラが倒れた瞬間にガブリエルが苦しみ始めた。


「一体どういうこと?!」

「スノピは知ってるよね?パラが食べた敵のスキルを一定時間奪えるの」

「そりゃもちろん、奪われたことあるし」

「パラが最後に食べた敵……覚えてる?」


私がそう言うとスノーピンクは少し考え込んでからすぐに答えを出した。


「……ベルテだ」


スノーピンクもパラが死ぬ意味を理解したのか呟くようにそう言った。


「ベルテの使った道連れってスノピで解除出来なかったじゃん?あれってそもそも発動してなかったからなんじゃ無い?」

「なるほど……ユニークスキルとか一部スキルは私の自分魔法でも効果無いの知ってたからそれ系統だと思ってだけどそういうことだったのか……」


発動してたとしても私には効かないけどね、そのせいで道連れが不発なことに気づかなかったとも言える。


「な、何をした……の」


苦しみながらも私に攻撃してことようと近づいてきていたガブリエル、道連れは一瞬でHPを無くすわけではなく徐々に減らすスキルなのかな?


「ありがとうガブリエル、楽しい戦いだったよ!」


『国王(三大天使)が全て倒れました』

『魔帝国側の勝利です』


――――――――――――――――


次回、最終話です。

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