第172話 VSミカエル決着

「うぐっ!攻撃が重い……」


突撃して来たミカエルの攻撃を受け止めたら想像以上に重く、強く踏み込んだ私の足が少し地面にめり込む。


これはあんまり受け止めないで避けれるなら避けた方が良いかも。


まともに殴り合ったらまた私の拳が破壊されそう。


「フー……フー……」


ミカエルは何も言わずにずっと息を荒げている。


非常に辛そうだし相当な犠牲を払ったスキルなんだね。


「今だ!パラガード」


私の顔目掛けて殴ろうとして来ていたのでパラを持ち上げて盾にする、パラも盾にされたと思った瞬間には口を開けて攻撃を待っていた。


今回は盾にするかもって事前に言っておいたから怒る事はない……と思いたいね。


「あれに正面から攻撃はダメ」

「ふぇ?!」


ミカエルは呟くようにそう言いピタッと拳を止めた、と思ったら回し蹴りをして私を吹き飛ばした。


「げほ、げほっ……まじぃ?」


ただの回し蹴りでHPが1割を切った。


危なっ!ユニークスキル使ってるから防御が0だしド根性は発動しないしで保険スキル何にもないの忘れてた。


吹っ飛ばされた衝撃で手を離してしまったからパラも近くでコロコロと転がっていた。


「あ、もう全回復してる」


この回復粉もズルいスキルの一つだよね、こんな連発していいスキルじゃない。


ってそんな事思ってる場合じゃない!ミカエルの追撃が……。


「あ、あ、フー……はぁ、はぁ……キツい、なぁ……」


息を荒げるどころかもう死ぬ寸前みたいな様子のミカエル、もう一歩も動けそうにない。このまま待っていても勝手に倒れそう。


しかしミカエルは闘志のある瞳でジロリと私の事を一身に見つめてくる。


"もちろん、向かってくるよね?"


「その目で見られちゃ向かうしかないじゃん……!私が向かってくるのを分かっている目だよ」


目で語りかけてくるミカエル。


これが別の誰かだったら時間稼ぎしてただろうし他の人が私の事を見たら皇帝なのに何死にに行ってんだと怒られそうだね。


「ミカエル!行くよ!」


私は全力で地面を蹴りミカエルへと突撃する。


しかし渾身の攻撃は普通に受け止められてしまう。


「まあ、そうなるよね」


正面からの攻撃で勝てないのは分かっている、それなら……。


「パラ!私の腕ごともってけー!」


ガシッとミカエルの腕を掴んだ私目掛けて転がって様子を見ていたパラが突撃してくる。


私の両腕の感覚が無くなると共にミカエルの両腕も消え去っていく


両腕が無くなり私もミカエルもバランスを崩して倒れそうになる。


「流石、パラ」


倒れそうになっていると両腕の感覚が戻り、私が倒れる事は無かった。


あの一瞬で腕を食べながら回復粉をするとか流石すぎる。


「ミカエル……じゃあね」

「負けた、ね」


倒れたミカエルを踏み潰して消滅させた。

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