第119話 ラビリルVSアルマ3

「《簡易結界》」


私がスキルを使うとアルマさんを囲うように半透明な壁が展開される。


「へー、結界対策はスノーピンク用のポーションが使えるね」


そう言ってアルマさんが私が展開した結界にポーションを投げつけた。


パリンッ


「あらら……」


すぐに割れちゃった。


「それなら……《悪魔の爪》!」


私の手から長い爪が生える。


「へー、そんなことも出来るんだ」


アルマさんがポーションを私に投げてくるので爪で切り裂く。


爪がジュウジュウと焼けるが痛みはない、スキルで生やした爪だからかな?


「ってパラの方には行かせないよ!《飛翔》」


私を無視してパラに向かっていたので飛んでアルマさんに攻撃をする。


「その翼は飾りじゃないんだね」


アルマさんは私の攻撃を待っていたかのように振り向いて綺麗に避けた。


そして長い爪の横を思いっきり殴られてしまった。


「流石、ラビリルの筋力……ポーションで耐久値を削っていたとはいえ一発で破壊出来たね」


見事に長い爪が破壊されて普通の手になってしまった。


「爪が無くなっても私には拳があるもんね!」


私はアルマさんに向かって思いっきり攻撃する。


アルマさんも私の攻撃に合わせて殴ってきた。


「痛ぁ!」

「うぐっ」


綺麗に私とアルマさんの拳がぶつかり両方にダメージが入る。


今のアルマさんは防御が低いからあれでも結構なダメージが入ったはず……。


「このままでは勝てないか……勿体無いけど負けるよりはマシかな」


アルマさんがまたポーションを取り出して今度は自分で飲んだ。


するとアルマさんが私の前から消えていなくなった。


「え?どこに行ったの……?ってパラ!」


パラの方を見るとアルマさんがパラの近くにいて攻撃をしようとしていた。


「《飛翔》!間に合えー!」


全力でパラの方に向かって飛ぶ。


しかし間に合うことなくアルマさんの攻撃がパラに当たりパラは凄い勢いで吹き飛んでいった。


「パラー!」


パラのHPは……あれ?意外と残ってる。


意外にもパラのHPは3割くらい残っていた。


防御が1でも元々パラはHPが高いし耐性スキルあるからそれだけで済んだんだね。


「あ、もう全回復してる」


気づいた時にはパラのHPが全回復していた、これ……全ステータス1でもMPがきれない限り死ななくない?連続攻撃されなきゃだけどさ。


「手応え無しか……でも目的は達成したかな」


アルマさんは銀色の液体が入ったポーションを取り出す。


あれって私のステータスをコピーした時に飲んだやつだよね?まさかパラのステータスをコピーする気じゃ……。


「あの、アルマさん……それ飲まない方が良いよ?」

「それはどういう意味かな―――?」


アルマさんが私の警告?を無視してポーションを飲もうとしていた。そしてそれと同時に最強モードになったパラが突進しようとしていた。


「パラ!ストップ!止まって、止まって!」


アルマさんに当たる前に私がなんとか指示をしてパラの突進を止めた。


今、アルマさんに触れちゃうとアルマさんが最強になっちゃう!危ない危ない……。


「どうして止めてくれたのかは知らないけどこれであの圧倒的なステータス――あれ?全ステータス1?」

「残念だったね!アルマさん!これでおしまいだよ!」


私とパラが同時にアルマさんを攻撃する。


私のステータスで戦えば良かったものを欲張るからそうなるんだよ!


「……ミスったね、もっと冷静に分析するべきだったよ」


全ステータス1になったアルマさんが私たちの攻撃を耐えられるわけもなく一瞬で消え去っていった。


「決勝戦の勝者は……ラビリル選手です!」

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