第97話 モブVSアルテナ2

燃えているアルテナの剣とモブの剣が激しくぶつかる。


「先程よりもさらに熱いでしゅうぅぅ!」

「私の炎をあまり受け止めない方が良いぞ」


ずっと受け止めていたモブの剣がパキッと真っ二つに折れてしまった。


「およよ?僕の剣が折れてしまいましたあああ!」


綺麗に折れた剣では受け止められる攻撃も受け止められずにモブは攻撃を受けてしまう。


「流石アルテナ様……武器破壊をしてくるなんて思ってもいなかったでしゅ!」


武器を壊され攻撃を受けて切られたはずなのに嬉しそうに壊れた武器を眺めるモブ。


「私の炎は装備品の耐久値を著しく減らす、下手に攻撃を受けると武器どころか防具も壊れるぞ」

「《ウェポンチェンジ》」


モブは何かのスキルを使い武器を交換する。


交換した武器は前にはもちろん柄の部分にも刃があるアルテナは見たことない武器だった。


「なんだその武器は……?見たことないぞ」

「双頭刃、両剣、双刃刀、双刃剣など呼び方は自由な武器でしゅ!ツインブレード、ダブルセイバーなどと呼ばれることもあるそうでしゅよ!」


アルテナはモブの武器をじっくり見ている、モブはアルテナに攻撃できるにも関わらずずっとアルテナの観察が終わるのを待っていた。


「これはまだ試作品段階なのでアルテナ様と戦うのには申し訳ないのでしゅ……代わりの武器がこれしかなかったもので」

「いや、私は特に気にしないぞ?じっくり見させてもらってありがとう、私には使いこなせなさそうだな」


そう言ってアルテナは剣を構えてモブの準備ができるのを待つ。


「ではいきましゅ!」


モブがアルテナに向かっていく。


素早い攻撃と初見の武器でアルテナはうまく攻撃を捌けず少し攻撃を受けてしまった。


「なるほど、先程と比べると攻撃頻度が段違いだな」


攻撃を受け切られたところが何故か燃え始める。


そして数秒後には傷が無くなっていた。


「回復でしゅかあぁぁ!凄い能力でしゅうぅぅ!」

「よく分かったな、多少の傷は回復するぞ」


回復されたというのに悔しがる様子もなくアルテナを見ているモブ。


「しかしその不思議な武器はあまり耐久値が無さそうに見えるが大丈夫か?」

「ご心配していただいてありがとうございましゅうぅぅ!その通り耐久値に問題があるので使っていませんでした!ただもうアルテナ様の剣に触れることは無いので大丈夫だと思いましゅ!」

「……それはどういうことだ――」


アルテナはモブが言っている意味が分からず戸惑っているとモブは双刃剣を両手でしっかりと持ちアルテナに向かっていった。


「《スピードモード》」


モブの速度が上がりアルテナはモブを目で追えなくなり見失ってしまう。


「なんだ!その速度は!先程とは比べものにならな――」

「《パワーモード》」


次の瞬間、アルテナの左腕が切断されボトリと落ちる。そして両手で持っていた剣も落としてしまった。


「アルテナ様には悪いですが……次の試合も特等席で見たいので勝たせていただきましゅ!」


アルテナが後ろを向くと先程までの双刃剣が2つに分かれて双剣のようになっているのが見えた。


「はは、その武器は変形するのか……」

「はいぃぃ!ある人が僕の為に作ってくれたんでしゅ!」


2つに分かれた双刃剣は既に耐久値が限界なのかボロボロになっていた。


「これが最後の攻撃になりそうだ」

「僕の双刃剣も限界でしゅうぅぅ!」


アルテナは落とした剣を片手で拾いモブに向かって構える。


切られた腕の部分が燃えていて回復しようとしているが部位欠損を治すほどの回復力はない。


「いざ、勝負!」


アルテナの方からモブに向かって攻撃しに行った。


「これが僕の全力全開でしゅうぅぅ!《パーフェクトモード》」


パキンッ


モブの一撃はアルテナの剣もろとも真っ二つにした。


「み、見事……私の負けだ」


アルテナは根性で耐えはしたが激しい部位欠損でそのままHPが無くなってしまった。


そしてモブの一撃に耐えられず双刃剣も粉々になって消えてしまった。


「それまで!第五回戦の勝負は……モブ選手です!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る