第84話 エスクードVS暗黒堕天使
「第一回戦はエスクードVS暗黒堕天使!」
私は広場のモニターにて観戦する事にした。
モニターの奥には何故か盾を2つ構えているエスクードさんと真っ黒な翼を背中に付けている多分暗黒堕天使さんがいる。
「プレイヤーの紹介をします!第一回イベント5位の実力者で大盾使い、不思議なことに盾を2つ装備していますがどうやって攻撃するのでしょうか?エスクード選手です!」
わーっと歓声とともに拍手でいっぱいになる。
「頑張れー」
「負けるなよー!」
周りの人達もエスクードさんのことを応援している。
「そしてもう1人は今まで無名、黒い翼が目立っています!暗黒堕天使選手です!槍を持っていますがどんな戦い方をするのか!」
なんか暗黒堕天使って人、紹介と共にめっちゃ決めポーズしてる。
「おー!なんか知らんがキレッキレだな」
「名前からして厨二っぽいが俺は好きだぞ」
確かにちょっとカッコいいかも?
「それでは第一回戦……開始!」
ついに戦いが始まった。
・・・
・・
・
「さあ!いつでもこい!」
エスクードは2つの大盾を構えて待つ。
「フッ……ボクは"あんこくだてんし"ではなく"ダークネスエンジェル"と呼ぶんだけどね」
バサッと翼を広げて決めポーズをする。
「いや、それ絶対読み方違うだろ」
「君にはこの名前の良さが分からないんだね……可哀想に」
そう言ってダークネスエンジェルは槍を構えるが攻撃はしてこない。
「……来ないのか?」
「フッ……まずは様子見させてもらうよ、大盾使いとは戦ったことがあるけど2つ持ちは見たこと無いからね」
「俺も槍使いは初めて戦うから楽しみだ」
「まずは遠距離から……《ダークボール》」
ダークネスエンジェルは槍を掲げて魔法を放つ。
エスクードは魔法を見て構えていた大盾を下ろして魔法をモロに受ける。
「ああ、いい魔法だ。俺に状態異常耐性が無ければ状態異常も受けれたんだが……」
「理解不能だよ、その大盾は飾りなのかい?」
ダークネスエンジェルはエスクードの行動に驚いていた。
「大盾は仲間を守る為にある……自分への攻撃を防ぐなんてもったいないではないか!」
「そ、そうか……変態なんだな」
興奮気味に叫ぶエスクードに若干引いているダークネスエンジェル。
「次は俺からいくぞ!ふん!」
エスクードは大盾を片方、ダークネスエンジェルに向かって投げつける。
ダークネスエンジェルに当たることはなく足元付近に落ちた。
「それが君の攻撃手段かい?そんな攻撃、当たるわけが無いじゃないか」
「確かにある意味それが攻撃手段だな……《武器転移》」
「なっ!どこに!」
エスクードと投げた大盾が入れ替わるように消えてダークネスエンジェルはエスクードを見失う。
「こっちだ!《武器変形》」
エスクードの持っているもう片方の大盾が長剣に変わりダークネスエンジェルに切りかかる。
ダークネスエンジェルはギリギリの所でエスクードに気づき攻撃を避けようとするが避けきれず黒い翼が片方スパッと切れてしまった。
「ぼ、ボクの漆黒の翼が……」
「避けられたか」
ダークネスエンジェルは距離を取りつつ反撃で槍をエスクードに突き刺す。
エスクードは槍を避けず、腕にブスッと刺さる。
「いい攻撃だ!もっと攻撃してこい!」
「本当に不可解だがこのままいかせてもらうよ!」
次々と槍で攻撃を繰り出すダークネスエンジェル、エスクードは避けることも大盾で防ぐこともせずにずっと攻撃を受け続ける。
「そろそろHPがキツイんじゃないかい?」
「素晴らしい……槍で突き刺されるのも良いものだ」
エスクードは手足がボロボロになっているのに全く怯む様子もなく攻撃を受けていた
「楽しい時間だがそろそろ終わりそうだ……残念で仕方がない」
「それだけ攻撃を受けて何故そんなに余裕の表情をしている……?」
「《ヒール》《カウンターチャージ》」
長剣が急に赤く光り始め、エスクードは攻撃してきていたダークネスエンジェルの槍を掴んで離さなくする
「名前からしてカウンター……ボクの攻撃を跳ね返そうとしているのかい?」
「その通りだ」
「しかし当たらなければ意味が無いね」
ダークネスエンジェルは槍を捨ててエスクードから距離をとる。
「俊敏が遅い君には距離を取られるとキツイんじゃ無いかな?」
「出し惜しみは無しにしよう……"守れ抗え"」
エスクードの目が青く光る。
「そ、その目はまさか!ユニークスキルか!」
エスクードは青い瞳でダークネスエンジェルの方を睨みつけ手に持っている赤く光った長剣を自分の胸に突き刺した。
「ガハッ!やはり自分で攻撃するのは何か違う……」
エスクードはそう呟き一瞬でダークネスエンジェルの距離をつめた。
「速っ!何がおき――」
ダークネスエンジェルが何かを喋る前にエスクードが一刀両断して一撃で倒した。
「そこまで!第一回戦の勝者は……エスクード選手です!
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