第83話 決勝トーナメント始まる

次の日


「よーし、決勝トーナメント頑張っちゃうぞー!」


昨日はミイラを全て倒し終えた私はそのあと寝た。


スコーンのレベルもそこそこ上がってさらに強くなったし準備は万全だ。


街の広場にも人が沢山賑わっている、屋台とか開いている人もいてお祭りみたいだね。


「ラビリルに100Gだ!」

「いや、俺はアルテナ様に500Gいくぞ!」

「何を!こっちはあるふぁちゃんに1000Gだな!」

「ふ、みんな甘いな……エスクードが勝つに決まってるだろ?5000Gだー!」


なんか色んなプレイヤーが何かを言ってるんだけど何やってるんだろう?


「ラビリル〜」


後ろから私を呼ぶ声が聞こえてきたと思ったらいきなり後ろから抱きつかれた。


「サユ、ここはゲームだからいきなり抱きつくのはやめた方が良いよ?現実でもやめた方が良いけど」


抱きついてきたのは紗由佳……サユだった。


「うん、今めっちゃ警告メッセージが出てる」

「だろうね」


banされるよ?


サユもやばいと思ったのかすぐに離れてくれた。


「危ない危ない、続きはまた現実でね!」

「いや、続きとかないから」

「えー!」


サユがずっと見つめてくるが私はそっぽを向く。


「ところでサユは予選のバトルロイヤルってどうだったの?」

「それ聞いちゃう?なんかね、自分で魔法少女とか言ってる痛い子にやられちゃったよ」

「あーあいつね」


サユはあの魔法少女にやられたようだ。


それにしてもサユと私、同じブロックにいたんだね。


「ラビリルこそ決勝トーナメントちゃんと優勝してよね?私、全額ラビリルに突っ込んだんだから!」

「みんなお金がなんちゃら言ってるけどそれなんのことなの?」

「知らないの?まあ分かりやすく言うと賭け事だよ、ギャンブル。決勝トーナメントで優勝した人を予想してお金を賭けるやつ」


なるほどね、だからこんなにも盛り上がってるんだ。


「それって私が私自身にも賭けられるの?」

「え?いやーそれは無理じゃない?自分のメニュー画面から賭けられるから見てみたら?」


サユの言う通りメニュー画面に優勝予測みたいなやつがあったので見てみると自分自身にもちゃんとお金を賭けることが出来た。


「なんかいけたから私も私自身に全額賭けてみた」


魔法研究所のおじさんに全額あげちゃったからミイラの群れとかそこら辺にいたモンスターを倒した分で大体1000G程度だけどね。


「賭けられるんだ……まあ、とにかく頑張ってね!」

「頑張るけど優勝出来るかどうかは分からないよ?みんなめっちゃ強いと思うし」


もちろん優勝を狙っているけどまだまだ未知のスキルとかみんな持っているだろうし初見殺しのようなスキルとかで負けちゃう可能性もある。


「確かにラビリルってすぐ油断するから注意してね?とにかく私のお金の為に頑張って!」

「結局はお金じゃん!」


お金はあるだけいいから欲しいのは分かるけど。


「じゃ、試合を観戦しながら応援してるから!またね」


サユは手を振りながらどこかへ走り去ってしまった。


「はい!第二回イベント2日目!始めるよ!」


デデンと由佳さんが出現して司会を始める。


「本日も司会、実況、解説全てをします!ティニット広告担当の美原由佳でーす!よろしく!」


だからなんで私の方向をチラチラと見てくるの?見つけるの早すぎない?


「さて改めて決勝トーナメントのルール説明をするよ!」


試合時間は30分、回復系、バフ系のアイテムは全て無しだが攻撃系のアイテムはあり。


スキルのクールタイムはリセットされるがアイテム使用や装備品を犠牲にするスキルなどでの消失はリセットされない。


戦う場所はボス戦のような空間。


時間経過で勝敗が決まらなかった場合は与えたダメージの総量が多い方が勝ち。


与えたダメージの総量も同じだった場合は制限時間5分で両者残りHPを1にしたサドンデス。


それでも勝敗が決まらない場合はジャンケン。


「こんな感じです!そしてトーナメント表はこちら!」


第一回戦 エスクードVS暗黒堕天使


第二回戦 ラビリルVSベルテ


第三回戦 猫の助VSアルマ


第四回戦 あるふぁVS闇


第五回戦 モブVSアルテナ


シード スノーピンク


「早速始めたいと思います!第一回戦のお2人を専用マップに転送します!」


こうして第一回戦が始まった。

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