第18話 第一回イベントのお知らせ
ゲームをログアウトした私はすぐにリビングに向かった、若干親に怒られたがちょっとだけですぐにお説教は終わった。
そのあとはご飯を食べたりお風呂に入ったり明日の学校の準備をしたりして今はベッドでコロンと寝転がっていた。
「はぁ……明日は学校かぁ」
こんなにも学校に行きたくないと思ったことはない、今まではやる事が勉強一択で学校でも家でも勉強ばっかりだった。
これがゲーム中毒というものなのだろうか。
「ちょっとだけゲームしちゃおうかな?」
良いやダメダメ、今日も深夜までやっちゃったら明日の学校で絶対寝ちゃう。
成績が良いから多少壊しても許されてたのに成績が悪くなったらゲームも禁止になるかもしれない。
「……寝よ」
私は次にログインしたら何しようかとか考えながら目を瞑るとすぐに寝てしまった。
・・・
・・
・
「――朝だ」
パチッと目を覚ますとカーテンの隅から朝の日差しが出ていた。
スマホで時間を確認すると朝の6時半、いつも通りの起床時間だ。
「お母さんおはよう」
「百、おはよう今日も早起きだね」
リビングで朝ごはんを食べて、身だしなみを整える。
そして制服に着替える。
「行ってきます」
「気をつけてね」
家を出てトコトコとゆっくり歩く。
学校までは徒歩30分ほど、早めに歩けばもうちょっと早く到着するが朝からそんな急ぎたくない。
「ポカポカ良い天気だなー」
今は5月終わりくらい、陽気で暖かい日の光を浴びながら歩く。
この気温だと多少暑い人もいるかもだけど私は寒がりだからちょうど良い。
「モモー!おはよ!」
後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。
「紗由佳……おはよう」
はぁはぁと息を切らして私の前まで走って来るこの子は私の友達で米津 紗由佳(よねつ さゆか)、明るく活発的な女の子だ。
「いやーまた寝坊する所だったよ!」
「また徹夜でゲームしてたの?」
「そうそう、先週金曜日に出たティニットってゲームが面白すぎてね!ほら、ニュースでもCMでもやってるし勉強好きなモモも知ってるでしょ?」
知ってるも何もしっかりとプレイしております。
「勉強好きじゃなくてそれしかやる事が無いんだって……」
「じゃあモモもティニットやろうよ!モモの両親が許してくれたらだけど」
「うーん、まあそのうちね」
「えーそれ、一生やらないやつー」
両親から破壊行動は絶対に他人には見せるなと言われてるしゲームの事でも現実で私を知っている人に見せるのはやめた方が良い。
でもそのうちバレる、何故ならティニットでのキャラメイクは私そのものだから。
めんどくさがらずに見た目変えれば良かったかも。
性別は変えれないけど髪色や目の色、身体の体形とかは変えれたから身長とか髪型とか変えれば良かったかなぁ。
「まあバレたらバレた時考えればいいや」
ゲームだし多少はバレても良いよね。
「モモ?何か言った?」
「何でもないー」
隠すのか隠さないのか曖昧なモモであった。
そして憂鬱な学校が終わり私は帰宅した。
紗由佳は部活があるので1人だ、私は帰宅部。
「家帰ったら速攻で宿題を終わらせる」
朝とは裏腹に若干早歩きで帰宅した。
「よーし!少しだけしか出来ないけどやっちゃうぞ」
宿題を終わらせた頃にはすでに夕飯の時間でそこからお風呂やら何やらしてたら9時頃になっていた。
『メッセージが2件届いています』
「ん?また運営かな?」
早速ログインすると通知が届いていた。
「あっ、ベルテからだ」
ポチポチと画面を操作してメッセージを見てみると最初の1件はベルテからでもう1件は運営からだった。
『ラビリルごめん、今週の平日遊べなくなっちゃった。魔法を教える約束してたのに本当ごめんなさい!多分土日は行ける!』
何か緊急の用事でも入ったのかな?
『了解!それじゃあ土日に会おうね』
メッセージを返す。
「運営からのはなんだろう?」
『第一回イベントのお知らせ 今週の日曜日、午後3時から第一回イベントを開始します!詳しくはこちら』
イベントのお知らせだった。
「おー、もうイベントやるんだ!まだサービス開始3日目なのに早いね」
バグとかメッセージの対応とかも早めだし良い運営だなぁ。
『ゴブリンの襲撃から街を守れ!』
どうやら始まりの草原から大量のゴブリンが街に向かって襲撃して来るらしい、それをプレイヤーみんなで倒して街を守るのがイベント内容。
街に耐久値が設定されてそれが0になると失敗、失敗すると街が壊滅するとかは無いけどNPCの好感度が下がったりお店が割高になったりするらしい。
貢献度TOP10には特別報酬があり限定アイテムが貰えるとのこと。
もちろん貢献度TOP10に入らなくても貢献度の多さで報酬が貰える。
貢献度をあげるにはゴブリンを倒すこと以外にも街のNPCを避難させるとか様々なやり方があって生産職の人なら街の耐久値を直せたりもするらしいからそれも貢献度をあげられると思う。
「あまりやる事無いけど少しでもレベル上げしておこうかな?そうと決まればウルフ狩りだー」
数がいて程よく強く倒せるウルフが沢山犠牲になった。
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