第11話 宝箱の中には……

『"ジャイアントトレント"を討伐しました』

『初討伐記念にステータスポイントを贈呈いたします』

『レベルが上がりました』

『レベルが上がりました』

『スキル《根性》を取得しました』

『スキル《自傷ダメージ耐性》を取得しました』

『スキル《逆境》を取得しました』

『スキル《格闘術Lv1》が《格闘術Lv2》になりました』

『スキル《格闘術Lv2》が《格闘術Lv3》になりました』

『パラのレベルが上がりました』

『パラのレベルが上がりました』

『パラのレベルが上がりました』

『パラのレベルが上がりました』

『パラのレベルが――

・・・

・・

『パラのレベルが上がりました』

『パラがスキル《回復粉》を取得しました』

『パラのスキル《打撃攻撃無効》が《打撃攻撃反射》に進化しました』


ピロンピロン凄い量の通知が鳴る。少し……いや、かなりうるさい。


「アーさすがに壊れちゃったカ、残念残念」


サーッと砂のように消え去るジャイアントトレント。


「ハッ…効果が切れちゃった」


ズンと身体が重くなる感覚で破壊モードが終わったと感じた。


「すっごい楽しかったーこんなにも爽快に本気でぶっ壊したの初めて!」


初めて爽快感に浸っているとポヨンと私の足に何かが当たった。


「あっ、パラ!めっちゃ飛ばされてたけど無傷だね」


パラを持ち上げてどこか傷がないか見渡すがツルツルテカテカでモッチモチだ。


プヨプヨに癒されていると唐突にパラが緑色の粉を出し始めた。


「わわっ何これ……なんだか身体の痛みが――ってお腹に空いていた穴が治っていく!」


しばらくすると傷が綺麗さっぱり無くなっていた。


「お腹丸出しになっちゃった、着替えよ」


着替えといっても初心者の服しか持っていないので上半身だけ着替える。


「ちょっと合わないけどしょうがないね、後でアルマさんに謝らないと」


1日経つか経たないかくらいで装備品を壊してしまった。ところで装備品って治せるのかな?アルマさんに聞かないとね。


「それにしてもいつのまに回復出来る様になったの?」


パラもレベル上がったし何かスキルを覚えたのかも?

通知のログを追いつつパラのステータスを確認しよう。


パラ Lv11

種族 フォレストマッシュ


HP100/100 MP10/110


筋力 100 防御 10

賢さ 100 俊敏 2

幸運 2


スキル《麻痺粉》《麻痺無効》《回復粉》《捕食》《打撃攻撃反射》《復活》


「凄い強くなってない?!相変わらず鈍足紙耐久だけど」


レベルが上がっても防御と俊敏のほとんど数値が増えていない可哀想なパラ……。


「ふむふむ、スキルも変わったり増えたりしてるね」


《回復粉》……MPを100消費して対象1体のみにHPを全回復させる。さらにあらゆる状態異常も回復する。


《打撃攻撃反射》……打撃攻撃に対してのダメージを0にしてそのまま相手にダメージを0にする前の元々の分跳ね返す。


「凄いお強くなって……特に全回復はやりすぎじゃない?今は一回しか使えないけどパラのレベルが上がったらとんでもないことになりそう」


一撃死しなければ死なない最強のスキルだよこれ。


まあでも打撃攻撃以外めっちゃ脆いしバランスは取れてるのかな?


「次は私のステータス見てみよ」


ラビリル Lv14


HP230/230 MP230/230


筋力 19 防御 30

賢さ 14 俊敏 46

幸運 14

SP2


スキル《ヘルプ》《番狂わせ》《異常者》《格闘術Lv3》《根性》《自傷ダメージ耐性》《逆境》《魔物使い》


ユニークスキル《破壊者》


装備

  武 ホワイトグローブ 筋力5

  頭 疾風の帽子 防御2 俊敏3

  胴 疾風の装束(上)(破損状態)

  腰 疾風の装束(下)防御3 俊敏5

  足 疾風の靴 俊敏10

  他 疾風のスカーフ 俊敏5

    なし


「私もスキルいくつか増えてるね、《疾風》は無くなっちゃってるけど……」


私は新たに手に入れたスキルの詳細を見てみた。


《根性》…どんな攻撃も1度だけHP1で耐える。(クールタイム24時間)


取得条件…HP1割以下でモンスターに勝利する。


《自傷ダメージ耐性》……自分自身からのダメージを軽減する。


取得条件…一定ダメージ自傷する。


《逆境》…HP3割以下で防御が2倍になる。


取得条件…HP3割以下の状態で攻撃を受けて耐える。


「あーなるほどね、お腹貫かれてからずっとHP少なかったし自傷って木の根の攻撃を殴った時のやつだよね?」


あれ自傷判定なんだ。


「ん?パラどうしたの?」


ステータスを確認するためにパラを置いていたんだけどパラがちょんちょん私を叩いてきた。


パラがキノコの頭を横に向けて何か訴えようとしているっぽい?


「あっちに何かあるの……?って宝箱じゃん!」


パラが示す先には豪華そうな宝箱があった。


そういえばここボス部屋だったよ!普通に座り込んでステータスやらログやら確認してた……。


私がここから出て行かないとボスを待っているだろうアルテナさんに悪いね。


「よし!開けよう!」


ゲームといえば宝箱だよね、何が入っているんだろう……楽しみだなぁ。


「おおっ!これは――」


宝箱の蓋をパカリと開けると中には何も無かった。

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