破壊衝動が抑えられない少女はVRMMOの世界で破壊の限りを尽くすようです

千矢

第1話 VRMMOの世界へ

私は小さな頃からよく物を壊して楽しんでいた。


壊すことは悪い事、そう言われ両親に怒られてからは極力物を壊さないように生きていた。


壊したくなる衝動が抑えられない時は自分で物を買って盛大に破壊して楽しんだ。


しかし破壊し、壊れた物を捨てるところを見られてしまい両親から許可無く物を買うことが禁止になってしまった。


「うぅ……何か壊したい――」


精神科の病院にも連れて行かれたがこの破壊衝動がおさまることはなく膨らむ一方、やることはなくひたすらに勉強するのだった。


そんな私に一つのニュースが目に入る。


『遂にティニットの発売間近!初のフルダイブ型VRMMORPG!詳細はこちら!』


ふと気になって詳細を見てみると身体を動かさず脳に何らかの事をして五感をゲームの世界みたいなので再現しているらしい。


「もう一つの人生……新しい世界……」


最初見た時はなんとなく興味が湧いただけだった。

ゲームのPRを見るにつれある事に気づく……。


「この世界なら……色んな物を破壊し放題ってこと――?」


バキッ


「あっ……興奮してボールペン折っちゃった」


まあ良くあることだから予備は沢山ある、それよりもこのティニットとかいうゲームを両親に説得して買う許可を貰わなければ……。


幸いにしてひたすらに勉強していたおかげで成績はかなり良い方だし壊す前提での買い物以外はすぐに許可が取れたから多分大丈夫なはずだ。


私はへし折れたボールペンをゴミ箱を投げ入れて許可を取りに向かった。


案の定、ゲームを買う許可はすぐに取れてその日のうちに予約をした。


そして発売日、私は朝一でティニットを購入し急いで家に帰った。


「頭にセットして……これで良いのかな?あとは電源を入れればっと」


電源を入れると目の前の視点が切り替わった。


『ティニットの世界にようこそ!初めにあなたの名前を教えてください』


名前かぁ、ゲーム名ってことだよね?


私は少し悩んでから名前を言った。


「ラビリルです」


特に理由はなく何となくで決めた名前だ。


「お次は――」


名前を決めた後は何やら細かな設定をさせられ色々と説明をされた。


プレイヤーを倒すPKはレベル10以上じゃないとできなかったりレベルが上がるごとに貰えるステータスポイントの割り振りは10以下だったら自由にやり直せるとかだ


そして自身のキャラメイクは全くいじらずリアルと同じにした。


あとはゲームでの痛覚は1%から100%いつでも変更出来るらしい。


痛覚と言っても感覚が鈍る見たいな感じで私は壊す感覚とかもちゃんと感じたいからもちろん100%にした。


『では最後に初期武器の選択とステータスポイントの割り振りをしてください』


ピロンと目の前に自分のと思われるステータスが表示された。


ラビリル Lv1


HP100/100 MP100/100


筋力 1 防御 4

賢さ 1 俊敏 2

幸運 1

SP10


スキル《ヘルプ》


装備

  武 ――――――

  頭 なし

  胴 初心者の服(上)防御1

  腰 初心者の服(下)防御1

  足 初心者の靴 防御1 俊敏1

  他 なし

    なし


うーん、普通なら剣とか魔法を使うための杖にするんだろうけど私は切ったり遠くから魔法を撃つとかしたくない。


こう、なんで言うんだろう……壊すなら直に壊したい。


短剣、刀、弓、槍、盾、大盾、鞭、棍棒、銃、鎌、ハンマー、ナックルと初期武器にも色んな種類があるみたいだ。


「この中だったらナックルかな?拳で戦う方がわたしには向いている気がするし」


私はナックルを選択する。


「あとはステータス……筋力と俊敏で良いかな?」


あっ、でも筋力あげたらすぐにモンスターとか死んじゃうよね……何か壊すにしてもすぐ壊れちゃうし筋力はやめよう。


攻撃受けてもすぐ死なないように防御にしとこう。


私は俊敏と防御に半分ずつステータスポイントを割り振る。


『ではラビリル様、ティニットの世界へ行ってらっしゃい!』


やっとチュートリアルが終わったと思ったら視界が切り替わり綺麗な街が視界に入った。


「おお!これがゲームの世界!」


ゲームのパッケージに描いてあるのと同じ風景の街並み。


辺りには沢山の人、みんな同じような格好をしているからプレイヤーかな。


「まずは何をしよう」


ふと広場の真ん中にある噴水が目に映る。


これ……壊せるかな――


今までは小さな玩具、文房具などしか壊した事が無かった。こんな大きな建造物を壊すなんて怒られる所じゃ無い。


でも……これはゲーム、ゲームなら!


思い立ったらすぐに行動に移す。


「えい!」


結構思いっきり噴水をぶん殴る。


「痛った――」


噴水はビクともしない。ただただ殴った拳がとてつもなく痛かった。


ゲームならいけると思ったけど無理だったみたい、いやまだ諦めないから!


私は何度も何度も噴水を殴ったり蹴ったりする。


痛い、痛いのに夢中で壊す。


「ねぇ、あれ何やってるんだ?」

「何かのクエスト?」

「痛そう」

「めっちゃ美少女じゃん」

「ゲームやってると謎の行動してる奴いるよな」


周囲の人たちが不思議そうに私のことを見ているのが視界の隅にうつった。


初期リスポーン場所なんだから見られているのは当たり前か。


これ現実世界ならとっくに手足血だらけで骨折しているでしょってくらい痛い。今までこんなにも思いっきり物を壊そうとしたことなかったからなんだか痛みも気にしないくらい楽しくなってきた。


「あはっ!あはははっ!」


「おう……」

「クエスト……なのか?」

「NPC?」

「街中だからダメージ無いけど絶対痛いだろ」

「痛覚設定低いんだろ」

「普通に怖い」

「近づいたら俺まで殴ってきそう、逃げよ」


なんか私の周りだけ人が居なくなっていくから殴りやすいな。


バキッ


噴水の一部に亀裂が入る……がすぐに直ってしまった。


「やっぱり壊すのって楽しい!」


今はこれだけしか壊せないけどレベルを上げれば……いつかこの噴水を粉々にするんだ!


「おい今噴水に亀裂入らなかったか?」

「街中の建造物は破壊不能オブジェクトだろ?」

「一瞬すぎて分からんかったわ」


よし!次はモンスターを倒しに行こう!


この後、何故か噴水に人だかりが出来ていたらしい。


――――――――

こんにちは、作者です。


この作品はなろうで投稿している破壊少女を少しリメイクしてます。その為、なろうとは話の流れが変わる恐れがあります。

最新話まで出来る限り毎日投稿しますのでよろしくお願いします。


是非、宜しければ★もよろしくお願いします。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る