明かされたTruth 4/4

夕方のいつもより少し早い時間、僕は文化館で東雲の事を待っていた。

あのあと少し話し合ってせっかくだから驚かせようということになり少し早めの時間に呼び出したのだった。

そこで待っていれば遠くの方から見慣れた格好がこちらにやってくるのが見えた。


「蓮、お待たせ」

「待ってたよ、東雲」


着くなり周りを見渡すのを見ればやっぱりすぐにでも会いたいのかもしれない。

だから遠くで見ているだろう京子さんに微かな合図を送る。


「それにしてもさ、東雲大丈夫?ここ最近眠れてる?」


遠くで見る分にはわからなかったけどこうして近くに来ると少しやつれているのが分かる。

眼には隈が出来ているし心なしか顔色も悪い。

昨日は落ちてたって言ってたけど2.3日でここまでひどくなるものなんだろうか?


「あれ?蓮、東雲もいるじゃねぇの?」


ふと声がする方を振り向けばもう一人、伊吹が来ていた。


「まぁちょうどいいや、ほいよ昨日言ってた台本」


「ありがとう、伊吹も新しいアイデアは浮かんだ?」

「いやまだだな、完全に手詰まりだよ」


それなら伊吹には悪いけど好都合だ、出会いによって生まれる物語もあるというし京子さんに教えられた場所を回ってみれば新しい着想でも浮かぶかもしれない。


「そしたらさ、伊吹にも紹介したい人がいるんだよ」


そしてちょうど頃合いだったのか、東雲の背後から京子さんが軽く合図を送る。

それを見てうなずき返すとそっとその両手が東雲の瞼を覆った。


「久しぶり、みやこ。元気にしてた?」


涼やかな音色が東雲に届いたのか、少し体が強張ったみたいだった。


「…………おねえ、ちゃん」


だけど、その口から出てきたのは僕たちの知らない東雲の声だった。

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