第18話勘違い

ルーナ視点

「はああぁぁ~」


なんで私はこうなんだろう。訓練生時代も学生時代も……

思ったこと全部言っちゃって

こう、みんな離れていくんだよね。いい加減空気とか読めるようになんなくちゃなんだけど……

「なんで成長できないかなぁ……こんな状態絶対師匠に嗤われわらわれちゃう。」

いや、まてよ?あの人なら腹抱えて嗤い転げてるぞどこぞで覗き見とかしながら


「なわけないか。はああぁぁ~」


丁度木陰になる川岸で座り込んで、私は先ほどの言動を猛烈に後悔していた。

相手は六歳(この世界では数え年で年齢計算します。生まれたその日から一歳として一年の始めに一つ年を取ります。生誕日=誕生日って感じで

ちなみに日本人に換算するとタマモ達は五歳~六歳の子供に該当します。)の子供だ。

もう少し言い方があったはず。

おもえば恋人も近しい友人もこの歳までいたためしがない。八つ当たりの言動、抑えきれない感情の起伏。自分でもこんな面倒くさい人間となど付き合おうとしないだろうし、

騎士になったのだってそんな自分を変えるため……変えたかったからで


「「「「ルーナ(お姉ちゃん、団長、殿)!」」」」


はぁ、何かへこんできた。幻聴まで聞こえだしたし。


「「「「ごめんなさい!」」」」


「はぇ?」


えっ?そら耳じゃない!?てか私変な声でてない?


私は恐る恐るゆっくりと振り向いた。呆気に取られ目を疑う私。

だってそこには銀色のもふもふと緋色のふわふわと碧色のキラキラが肩で息をしながら此方をまっすぐ見つめていたから……。



「お姉ちゃん、僕ちゃんと頑張るから。お姉ちゃんの言うこともちゃんと聞くから、お手伝いさせてください。」


えっと、怒ってる訳じゃないんだけど…

そんな泣きそうな顔で見つめて「お姉ちゃんの言うことちゃんと聞くから」って…


「ルーナ団長、今日私なんにも出来てない。だから…私に出来ることをやらせてください!」


「なんにも出来てない」って貴女…別に何かしなくちゃいけない立場にいませんよ?それに「出来ることをしたい」ってなんでそんなに一生懸命なんですか?


「ルーナ…」


「えっ?」


姫様が私の名前を呟きながら私の腹部にぎゅっとだきついてきました。

「あの…」

「私は……貴女に嫌われたくないんです。」

「嫌いに?」

「だって、こんな力があるのに隠してて…全部話さなかったから怒って…」


はっ?さっきから皆さんは一体何を……

「姫様?」


「わかってる。大人ぶって、相談なんてしないで結局失敗して…騎士団のみんなに迷惑かけてる“可愛くなくて“面倒臭い”娘だって」


「姫様落ち着いてください。」


「だけど…」

「もっといい子になるから…もう少しだけだから」


「だから落ち着きなさい。まったく、そう言うところだけは子供なんですから。」

「いいですか?まず、別に嫌っても怒ってもいません。怒っていたとしても私自身にです。

皆さんを不安にさせてしまったことを謝罪致します。“ごめんなさい”」


「「ルーナ(お姉ちゃん、団長)」」


謝罪の言葉と頭を下げた私の行動にタマモくんとスカーレット嬢もだきついてきました。


(ポタッポタッ)


「なっ」


仕方ないじゃんこんな可愛い子達に抱きつかれてんだから…


(バタッ)


「「「お姉ちゃん!」」」



レオン視点

「な、なんで?」

俺が追い付いた時、彼女は子供達に抱きつかれて鼻血をながし仰向けに倒れていた。しかもどこか幸せそうだった。


先程まで何の不調もなさそうだったのに……

まさか!ミノタウロス達との戦闘で何か負傷を?遅効性の毒?いや呪いの類いか?


とにかく、そうだったのなら早く何らかの対処をしなくては大事になりかねない。こんな時に恥ずかしがって手遅れになってしまっては俺は自分が赦せなくなるだろう。


「ルーナ団長、失礼します。」


“聖域(ホーリーポイント)“


命具を操作し俺が使えるなかで唯一にして最高の浄化、聖属性付与の障壁を張った

この障壁で囲んだ内部範囲は毒、呪術、負傷などマイナスの状態異常を解除、治療する“領域”となり……


「そん、な……」


ルーナ団長の鼻から流れる血が止まらない。そんな高位の猛毒、呪術なのか……

俺がもっと…もっとまともに護れていればこんな事にはなっといなかったはず。

俺は自分の不甲斐なさに怒りを覚えた。


(と、盛大に勘違いをしているレオンだがルーナは色々拗らせた面倒臭い奴で単に幼子達に抱きつかれて興奮して鼻血を出しているだけなのである。幸せそうなのは子供好きでもふもふ好きなためでけっしてレオンが気にしているようなことはなくむしろ幸せな状態。

浄化、聖属性の力は意味をなしていないだけである。

レオンも根は真面目なので変に責任を感じているのです。)


「ルーナ団長、もうしわけありません。俺がちゃんと護れていれば……

責任を取らせてください。」


俺が出来ることならなんでもする。俺のかわりなんていくらでもいるんだ例え奴隷に堕ちたってかまわない。

俺はルーナ団長にたいして深く頭を下げた。


視点変更


ルーナはルーナで

「はあ?」

と、現状を理解できないでいた。


「レオン殿、貴方は一体何を言っているんだ?私のこれは」

(訳:責任ってもしかしてこれってプロポーズ?)


「すんません、姫様達の前でする話じゃなかったっすね」

(訳:考えが足りませんでした。弱みを見せない上

、姫様達を不安にさせまいと…承知致しました。後程今の状態を確認させてください)


「うむ、わかってくれたのならばいい。申し訳無いが姫様達をテントまで送る。殿を頼む。」

(訳:そのはなしはあとで、いきなり過ぎて考えがまとまらないよ。少し距離をおかせて。)


「はいっ、お任せください。」

(訳:やはり、ルーナ団長はすごい。姫様達の前では弱みを見せないということっすね。俺もしっかりお守りせねば。)


仲直り?をしたルーナと子供達はいったんはなれルーナを先頭にレオンを殿にテントへと戻っていった。それぞれにかなりの行き違いをしながら



※ルーナ→サファイア→スカーレット→タマモ→エル、ハート、ルーク→レオンの順の隊列。……

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