第5話とりあえず因果応報4

『先ずは自己紹介からだな。

俺はフェンリル。見ての通りの狼さんだ』


「はい!僕はタマモです。きつねさんです。」


うん、いいお返事だ!少し目の辺りが腫れているけど

しなくていいのにお手てをあげてにっこり笑って……ちなみに体操座りだ

誰か俺達に“かわいい”以外の形容を教えてくれ……


俺は主(タッくん)の愛らしい仕草に対して正気を保つのに必死だった。

さっきまで大泣きしてたのにいまだって恐らく不安だろうに俺たちに知られないようにって一生懸命笑って見せて……


話がまたそれたな。俺がそんなこんなで#主__タッくん__#のあまりの可愛さにフリーズしてる最中に他の奴らの自己紹介も終わったみたいだった。


『落ち着いて聞いてくれ。

タッくん、キミはさっきまで死にかけていたんだ。』


「?」


『森を歩いていて偶然“破壊神”の復活に巻き込まれてな……』


「へぇ~」


『それで、タッくんの魂が余波でバラバラに』


「……」


『でも、タッくんの魂(命具)が本だったおかげで表紙と背表紙がこの世界に残って』


「…」


『頁を俺たちが集めてさっき渡したんだ。これでタッくんは元通り!』


ぷしゅ~


『あれ?』


『キミさぁ、説明すればいいってもんじゃないんだよ?タッくんはまだお子様なんだよ。そんな難しいこといきなりは無理だよ。』


くっ言い返せない、またやっちまったぜ。

タッくんは頭から煙だしてなんかウンウン唸ってる。

俺頭悪いから説明がうまく出来なかった。

落ち着けって言っておきながら“死にかけていた

”とか“魂がバラバラになった”とか“集めて元通り”とかそりゃ六歳児にはキャパオーバーにもなる。


『要するに、タッくんの本の頁はバラバラになっちゃったけどいろんな世界を冒険して白紙だった頁に経験や知識を刻んで成長してもとの場所にもどってきたんだよ。

その中で僕達のもとに来てくれたんだよ。』


「ルイ?」


『僕達ははじめましてじゃないんだ。さっきも自己紹介したけど、僕は空亡(そらなき)。君から泪(ルイ)の名前を貰ったキミのお友達だよ。

吹き飛ばされてたどり着いたキミの本の頁はひとりだった僕らに宝物をくれたんだ。僕達はキミにまた会いたくてみんなで全部の本の頁(キミの欠片)を集めてここまで来たんだ。

ねえタッくん。僕達とまたお友達になってくれないかなぁ?』


選手交代だね。エルに変わってここからは僕がお話しするよ。

タッくんが可愛いのは激しく同感だけど。混乱させるのはしたいことじゃないけど

話進まないし。


ーー-ー-ー-ー-ー-ー-ー-ー-


これって‥‥俺がいなくちゃ皆さんはあの子にあえな‥‥


『はぁ?自分の手柄だとでも?

消えたいのかなぁ?』


スンマセンシタァァァ

(こわいよぉ)

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