モテ期、恋は突然に

雛奈.

第1話 恋の経緯

「おせぇーぞ早くしろ それでも生徒会役員か」

「すみません…」

俺は生徒会役員だ…

「まわりを見てみろ、荷物運びもまともにできないのかおまえは」

「すみません…」

まわりの人は台車を使っているからだろ…

「そんなんだからひよわ君って呼ばれてるんだぞ、悔しくないのか?w」

「いえ、すみません…」

その呼び名を考えたのはあんただろうが…

「大丈夫?わたるくん、ほら台車持ってきたからこれ使って 蒼春そうしゅん先輩も言い過ぎですよ。

あと、その呼び方もよくないと思います。」

「はい、大丈夫です…ありがとうございます成島なるしま先輩…」

この人は成島咲なるしま さき先輩、ここ 蒼春そうしゅん大学の3年で生徒会副会長、そして俺に罵声を浴びせていた男が蒼春空そうしゅん そら、ここ蒼春大学校長の息子であり生徒会長だ。

ちなみに成島先輩は俺と付き合っている…

「あぁ、そうだなw成島の言う通りだ...すまなかったな ひよr…じゃなくて、日和ひよりくんw」

「あ、いえ…大丈夫です。」

ちなみにひよわ君は、俺 日和渉ひより わたるから3文字取って付けられたあだ名だ。

あと、成島先輩と付き合っていると言っても罰ゲームなので正直付き合っているとは言い難い。

なぜ知っているかって?それはその現場を見てしまったからだ…


「なぁ、おまえら」

「なんですか?会長」

「2年の日和…あいつムカつくと思わないか?」

どうやら俺の話をしているみたいだ…

「何かあったんですか?」

「あいつうちのまりんと同級生でな、あいつは生意気にも成績学年1位なんだよ、なんで海よりあんな奴が上なんだよムカつくだろ…」

え…そんなことで会長怒ってるの?

「でたよ会長のシスコン…」

「あぁ?今なんか言ったか?」

「いえ、で…どうするんですか?」

「それなんだけどな、おい成島 お前たしか今、彼氏いなかったよな?」

「え?…はい、いませんけど…」

「じゃあ、おまえ日和と付き合えwこれ、会長命令なw」

は?俺と成島先輩が付き合う!?いやいや、そんなことさすがに罰ゲームでも成島先輩が…

「いや、それはさすがにですよ 蒼春先輩…」

うんうん、そうだそうだ 俺なんかと成島先輩が釣り合うはずもない そんなのはおかしい話だ

「聞こえなかったか成島、これは会長命令だ 断ったら…わかるな?w」

「はい…わかりました。」

は!?なんだ?成島先輩、会長になにか弱みを握られているのか…

「じゃあ、今日の放課後 しっかりやるようにw」

そう言うと肩をポンっと叩き 椅子に座った

「はい、わかりました…」

その後俺は聞いていたことがバレないように5分後に生徒会室にはいった…

ちなみに俺もクラスの推薦(強制)によって生徒会役員になっていた。

「お疲れ様です…」

俺が生徒会室に入ると皆の視線が一気に俺に集まった、そして会長は立ち上がり俺のもとへ来た。

「おぉ、ひよわ君じゃないかw君を待っていたよ」

「え?ひよ…わ君?」

「成島がどうしても君と話したいことがあるそうなんだw聞いてあげてくれるか?w」

罰ゲームだからか会長は笑いが我慢できていない

「え…そうなんですか?成島先輩」

俺がそう尋ねると成島先輩は下唇を噛み締め下を向く…

それを見た会長は成島先輩の肩をぽんっと叩くと

「どうしたんだ成島、何を緊張してるんだ?そう固くなることもないだろう さぁ、早く言うんだ…」

そう言ってまた更にさっきより強く方をたたく

「はい…あのね、ひよ…日和くん」

成島先輩は少しビクッとし話し始める。

「はい、なんでしょうか成島先輩」

「えっと…その、日和くん 私とその…付き合ってもらえないかな」

「え…えっと、あの 付き合うってなににですか?」

俺はとぼける演技をすることにした…

「そうじゃなくて…」

「ははっwww動揺してやがる さすが、童貞は違うなw」

と、会長はこの状況をとても楽しんでいた

「あのね日和くん、私とお付き合いしてほしいの」

「おおおお付き合い!?お付き合いってあの恋人同士って意味のお付き合いですか!?お、俺と成島先輩が!?」

「うん、どう…かな?」

俺らのこのやり取りを見て会長はかなり肩を揺らしている、どうやら頑張って笑いを堪えているようだった…

「えっと、あの…」

正直、罰ゲームだとわかっていながらこれに乗るのはあまりいい気はしないが ここはひとつこのバカ達に乗ってやろう。それでいつか、必ず仕返しをするんだ…

「はい、えっと…俺でよければ」

そう微笑むと成島先輩の頬がどこか赤らんでいるように思えたがきっと気のせいだろう。

そして、その後俺たちはすぐに解散することになった。そして、俺と成島先輩の交際関係は瞬く間に広がった。


そして今に至る…

「いいなぁ、日和くんwなにがあっても彼女が助けてくれてwww」

「あ、はいwありがとうございます。」

俺がそう言ったのが気に触ったのか 会長は俺の方に近づいてきた…

「なにヘラヘラしてんだよお前wそんなんだから成島に守られてばっかなんだよwそんなんだからひよわって言われるんだよw悔しくねえのかだっせぇなwww…ったく」

そう言うと会長は扉を強く閉め出ていった…

隣を見ると成島先輩が歯を食いしばり会長が出ていった扉を見ていた…

どこか悔しそうに…。

でもなんでだ?なんで先輩が…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

モテ期、恋は突然に 雛奈. @hinarita053

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る