第2話 【書評】びびってんじゃねえよ!(2022.12.12記)

【人が感動するのは「根も葉もあるウソ」】


1.書名・著者名等

小園 浩己(ヒロミ)(著)

『びびってんじゃねえよ!(副題)暴走族恋愛論』

扶桑社 (1994/6/1)


2.兎平亀作の意見です


ある必要があって、暴走族について、まとめて調べたことがある。


本書は拾いものだった。「月曜から金曜までの暴走族(ただし高校生)」の姿が語られていたからだ。

土曜の集会の時の暴走族は、みんなキメている。息がっている。それも暴走族をしている若者たちの一面には、ちがいないが、私は「ふだん着の暴走族」も知りたかったのだ。

学校では何をしているのか。友だちと一緒にいる時は、何をやって時間をツブしていたのか、等々。


本書を刊行した時(1994年)、ヒロミは29歳だ。「わが青春を語る」には、遅すぎず、早すぎずの、ちょうど良い時期だろう。もしも今、本書と同じテーマで語らせたら、全く別の内容になるのではなかろうか。


さて、本書の内容だが、もちろん、一人の男の意見には過ぎないが、ヒロミはちゃんと素っ裸になって物を言っている。だから伝わる。了解できる。

さすがは芸人だ。コミュニケーションでは鍛えられているのだ。


「良くできたウソ」では人は感動しない。人が感動するのは「根も葉もあるウソ」だ。

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