第2話

ここに革張りの一脚の椅子があるなんの変哲もないただの椅子だが、ほんの2時間前までは意志を持った人間だった。


私は親友の美幸に彼氏の山原 一輝(やまはらいつき)を紹介した。

一輝は始め私の親友に会うのは乗り気ではなかったが、美幸の家がバイト先の近くという事もあり、バイトと前の少しの時間ならとOKしてくれた。


美幸の家に押しかけた私と一輝だったが、何故か微妙な空気が流れる。

私と一輝の惚気話を聞いてもらおうとしたが、一輝はバイトがあるからとそそくさと美幸の家を後にした。


女同士で話をして盛り上がってはいたのだけれど、私は途中から物凄く眠くなってきた。

なぜ眠くなったかは分からない。

とにかく眠くなって目を閉じた。

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