ある日私は、革命家という名のテロリストになった。

水鳥川倫理

第1話 神への復讐を誓った同士達。

周りからは心底苦しそうに仲間や敵からの苦痛を叫ぶ悲鳴。

殺し合いをしている銃声。

通信機からの絶えない仲間の死の連絡。



この世界をもう一度正しい方向へと導き直すために



私は今、この世の終わりのような地獄の第一線の戦場にいる。



私たちが仕掛けた戦闘が発端で日本各地で戦闘が行われ、

日本の革命のために戦い、

私たち戦線は日本政府(かみ)にそして全ての悪の根源の米国(くうぼ)に対抗している。



そんな中とある東京郊外の30階建てビルの屋上。



一人で双眼鏡を使って時々目をこすりながら息を凝らすようにじっと見つめ、

遥か先に見える何本も崩れ行くビルや

都内が火の海の姿を唇を噛みながら眺めている一人の少女が居た。





彼女の名前は、神月唯華こうづきゆいか


普段は学校を重たい病気と称して休んでいる。年齢は17歳の高校二年生。

仲間との会話にはたまにアホが出る天然。

身長は160cm前後と小柄でスタイルも良く、肌は白い。

目鼻立ちや顔も整った可愛いらしい顔をしており、

運動神経も抜群。いつも的確な判断で敵を翻弄。


ナイフなどを使った白兵戦も得意で

普段はアサルトライフルを片手に対戦車ライフルを背中に背負って戦闘をしており、




トレードマークの黒のセーラー服に胸のあたりにあるピンク色のリボン。

透き通った黒髪を無造作に留められたポニーテール。


髪に括られた赤いリボン。その戦闘服の腕の辺りには、

赤い糸で縫われた「日本革命戦線」の文字。

これらの特徴が警察や自衛隊から恐れられている。



そして、数十万といる戦線を率いるリーダーをしており、

幹部やその他の仲間からは「ゆい姉!ゆい姉!」と呼ばれ多くの仲間から慕われている。



舞う天使のごとく敵を無差別に殺戮をし、

いつも唯華の作戦に翻弄される警察と自衛隊。



そして、ついたあだ名は史上最悪のテロリスト



「「「「「「「死神。」」」」」」」



そんな彼女らの戦いぶりを見た者はみな唖然とするだろう。




大都会である東京都心やその他の都市である札幌、仙台、新潟、名古屋、大阪、広島、福岡のビルがあちらこちらで何本も崩れ落ち、街では爆撃音や銃声が響き渡り、


街は火の海と化している。



道や建物の中には私の仲間や敵である警察や自衛隊の多くの血や死に絶えた人たちで埋まり、戦線の戦闘員は全体の1割が死に、6割が重軽傷。一方、警察や自衛隊の人たちは全体の2割が死に、5割が重軽傷という大惨事。




戦闘の巻き沿いを喰らい死んだ国民は実に150万人に昇る。




しかも、この事態を見計らった中国や韓国が一部の領土を占拠。アメリカ軍は日本国内の基地から全軍撤退して行った。



そんな大惨事を引き起こしたのに私たち戦線は戦闘を辞めない。



なぜなら、

理不尽な世界を恨み、この世界への復讐を誓った仲間を集って戦い、



唯華のことは毎日メディアから取り上げられ、

総理大臣をはじめとした政府関係者やメディアはみな恐怖で震え上がっていた。




そんな地獄を作った私だが、私にはやらなければならないことがある。




それは、(政府が隠してきた医療利権や様々な使い方をされた私たちの税金。

そこには、何人もの人が人体実験をされたり、

国民をマインドコントロールして行なったワクチンや様々な薬品。

政治家は贅沢な生活をし、日本国民は貧しい生活を強いられどんどん疲弊していった。)

ことなどがある。




メディアを弾圧して隠し通されそれを調べ上げようとした

人間が何人も壮絶な不審死を遂げた。




そういう世界だなんて私は憎んだ。この国を恨み失望した。




最初は分かち合いたいということでSNSやダークフェブに書き込んでいたが、

日を重ねるごとに共感してくれる人たちが増えていき




ある日を境に私の心が揺らいだ。

そこで私はダークウェブで仲間を集った。




何回も公安警察からサイトを消されたが、それでも共に戦いたいという人がたくさんいた。

そこで私たちの戦線が出来上がった。



初期メンバーは300人という今と比べると少数だった。



その頃は多くのメンバーや幹部たちが公安警察から特定され、何人もの幹部が捕まったが、

今の戦線は警察や自衛隊と互角に張り合えるようになり、多くのメンバーを開放することができた。







この戦闘に私は絶対に勝たないといけないという志があり、

それがプレッシャーとなり心の中では少し恐怖を感じるのだが、

仲間のためにこの私が恐怖に落ちている場合ではない。




恐怖心を感じていると知られたら仲間からはなんて思われるのだろうか。

戦いというよりも仲間に見放されたらどうしよう。なんていう恐怖があった。


「だって、仲間が死んでいく姿を何度も見ているのに、、、

本当に仲間が一人、一人といなくなってどんどん心細くなっていく。

いつも姉みたいに慕ってくれているのに。情けないね。ほんと。」




と一人悲しく泣きそうになりながらも自分の目を擦り、頬を叩き

感情を切り替えた。




そして、覗いていた双眼鏡を首から下げ、ナイフとピストルとグレネードを腰にしまい、

対戦車ライフルを背中に背負い、アサルトライフルを手に取り、



これが日本国内における最後の戦争であることを空を見上げながら

胸に手を当て涙ぐみながら願った。



そして、30階建てビルの階段を駆け足で一気下り

私が来るときに使用したjeepに乗り仲間たちが戦っている戦場へと向かった。







そうして私たち戦線の物語が始まった。








**********************************************




時は、東京で大規模な戦闘を行われる約2年前の6月。



夕日が差し掛かり始めたころ。

都心から少し離れた東京の立川の雑居ビルの地下に2人の少女がいた。



一人は日本革命戦線のリーダーの神月唯華こうづきゆいか



もう一人は通信士の神無月沙羅かんなづきさら

年齢は唯華と同じ17歳の高校2年生。

髪は短くボブよりのショートといった感じで、


身長は158cmといった唯華より小柄でいつも落ち着いた振る舞いをしており、

仲間からはまるで亡霊のようだと恐れられている。

目鼻立ちや顔も良くまるでお人形さんのような感じで、


唯華の支持を臨機応変に対応している

かなり優れた人で、おまけに過去に人に気づかれないようにそばに駆け寄り

一瞬のスキをついて殺すという連続殺人鬼をしており刑務所に収監されていた。

今は更生して落ち着いているが、昔はかなり破天荒な性格だった。





唯華が一人でこれからどんな作戦を立てていこうか真剣な面持ちで


悩んでいると、通信士の神無月沙羅(かんなづきさら)が口を開いた。



「だったら幹部を集めて会議をしてみてはいかがでしょうか。」

と落ち着いた口調でそう唯華に意見を提示した。



唯華は少し悩み目を閉じて考えた。



5秒くらいの間考え

「よっし!」

と言って立ち上がり、



「神無月さん、幹部たちを集合させるわ!」

と言い放ち沙羅はそれに答えるように



通信機を唯華に渡して

「みんなー第三オペレーションルームに集まれー!」

と唯華が威勢のいい大きな声で沙羅の通信機を使い号令をかけた。



すると、東京周辺に潜伏している唯華の直属の幹部が様々な移動手段を使って

30分くらいのうちにぞろぞろと15人の幹部が作戦会議室に入ってきた。



「さぁ翌日からのオペレーションを発表するねー!

とその前に杉本君今日までにどこまで進めた?」

と唯華が元気よく話していたのだが、急に一遍真剣な面持ちで話し始めた。



一息おいて唯華のいる机に寄りかかり、眼鏡を額の上まで上げ、腕を組み、少し下を向いて

杉本真吾すぎもとしんごという人が話し始めた。



(杉本慎吾とは、いつもイケメン風にかっこを付けて物事を話したがるただのバカである

仲間からも(こいつばかだぁ....)と思われていて唯一慎吾だけはそのことに気づいていない。



鼻は高く、鮮やかに輝く美しい瞳を持ち髪型はベリーショート。

体もスマートな細マッチョ。

普通に黙っていればイケメンな人である。)



「はい本日は、今後の戦闘にための海外からの武器支援の協力の確認や、

目標としていた国内での製造工場の一部確保をしました。

ただ、これでは戦線の人数を考えると圧倒的に武器や弾薬、兵器が足りません。」



「そうわかったわ。」

と唯華が頷き。



「じゃあ明日からのオペレーションは武器製造工場の確保や色々な国からの協力支援を重点に置き、

まずは、色々な国の人から信頼を置いてもらうために信頼関係を構築しておいて!」



「まず関山君と三ノ宮君と大塚君は、国内にある大手の企業との連携や工場の確保をして、

次に有栖川君と南さんと四条君は国の中枢に潜って私たちへの有益な情報を盗んでくること。



後の人たちは海外の工場や協力してくれそうな人たちへの信頼関係の構築しておいてねー!



「じゃあ!よろしくねあなた達!健闘を祈るわ!!!」

と唯華が言い放ち大きな仕事を得た人と信頼関係を構築する人とではテンションが違ったが、

唯華の言うことは絶対なのでみんな了承した。


3分くらいが経ったあたりで15人いた幹部たちはぞろぞろと部屋を出ていき

それぞれの与えられた役割へと向かった。



よし!私は明日以降の成果の確認と今後に備えた作戦を練ることに専念しますか!

と隣にいた沙羅言い、唯華もオペレーションルームを後にした。




唯華は戦線の経費で落とした港区の虎ノ門にあるマンションへと帰り眠りについた。





そして、翌日には恐ろしいことが起きることはまだ知らない。

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