第136話 ラブリンビームVS魔王軍
『私だけじゃないわ! トアリさんも変装して忍び込みにくるから!』
遅れて来るのは知ってるけど変装して来るのアイツ? あ、その変装に時間かかるから遅れるってことね。
『トアリさんはイギリス流忍法【変化の術】で忍び込むから安心して!』
イギリス流忍法汎用性高えな。てか変化の術ってワリと良くあるだろ。日本流でも良いよね。イギリスと日本でなんか違うの?
『だからメイド喫茶に居る敵からの攻撃は受けないと思うわ!』
オマエは真っ先に敵から攻撃受けそうなところに居るけど大丈夫なの?
『
店内放送でそう言ったのは、金剛力士像だった。
(え、ええええええええええええええええええええ?)
オマエも来たのおおおおおおおおおおおお?
魔王軍揃ってきたんだけど。
てかオマエこそどうやって忍び込んだんだ。あんなデカい図体の金剛力士像が素通り出来るワケないよね。これもイギリス流忍法?
『オイラは千利休から習った忍術を使って忍び込んだでやんす』
千利休から? アイツ忍者だっけ?
「面白いですね」
と、呟いたのは……丁度俺の近くで立ち止まったマリアさんだった。
「ここまで深部まで敵の侵入を許したのは初めてです! でもラブリンビームを受けても調子に乗っていられるかな?」
言うと、マリアさんは奥の部屋に走って行った。
ヤバいヤバいヤバい。
逃げろ二人とも。
ラブリンビーム放たれるぞ。
パンダさんに殴打されるぞ。
加藤『金剛力士像くんは、メガネくんの魂を盗んだ犯人は誰だと思う?』
推理パートとかどーでも良いから逃げろっつの。
ラブリンビーム受けて粉々になるぞ。
金剛力士像『オイラは千利休が犯人だと思うでやんす』
何でだよ。何で歴史的人物が疑われてるんだよ。とばっちり過ぎるだろ。
金剛力士像『メイド喫茶という文字を見るでやんす。【茶】が入ってるでやんす。よってお茶で有名になった千利休が犯人でやんす』
しょーもな。推理にすらなってねえよ。なんか個人的な恨みでもあんの?
てか逃げろって。早くしないとマリアさんが――、
マリアさん『もう好き勝手させないですよ!』
店内放送に、マリアさんの声が響き渡った。
(ほらあああああああああああああああああああああああああああ)
しょーもない推理してる間にマリアさん放送室に着いたじゃねーか。
もう終わりだろあの二人。え、助けに行った方が良い?
「あの、
「まあ大丈夫でしょう、あの二人なら」
と、ニッコリ笑う岩田先生。
「そんなことより、今なら五千円でポッキーゲーム出来るキャンペーン中なんだけど、どう?
そんなことよりって何? 生徒の生命のピンチですが?
てかポッキーゲーム高くないですか?
キャンペーン中でも五千円? ぼったくりにも程があるでしょ。
それともこれが普通なの?
マリアさん『もう好き勝手させないですよ! ラブリンビームを喰らいなさい!』
ヤベーよラブリンビーム発射寸前なんだけど。
加藤『ラブリンビームですってぇ? ふっ、甘いわね! こっちにはもっと凄いビームがあるのよ!』
もっと凄いビーム?
金剛力士像『そうでやんす! オイラには金剛力士クロスレーザーがあるでやんす!』
金剛力士クロスレーザああああああ?
そーいやトアリが課外授業ん時に言ってたな、金剛力士像の前で。
い、今からラブリンビームと金剛力士クロスレーザーの撃ちあいが始まるっていうのか……?
なんか気になる、どうなろうがビーム対決の結末が気になる。
加藤『さあ行くのよ! 金剛力士像くん!』
金剛力士像『合点でやんす!』
マリアさん『ふふん、イイ度胸ですね! 行きますよ!』
はああああああああああああああああああああああああ! と、金剛力士像とマリアさんの声が重なった。
そして……、
『チュドオオオオオオオオオオン!』
爆発音が店内に響き渡った。
(ど、どうなったんだ?)
二つのビームがぶつかりあった(?)音は聞こえたけど……。
…………。
……やけに静かだな……。
え、もしかして相打ち?
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